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2004/09/14

ハイキングと登山の違い

日記再開そうそう、ちょっと硬い内容だけど、今回の九州・九重の山々を登って色々と感じたことを書いてみようと思う。今回の九重の山登りレポは既にHPに掲載済みだけど、珍しくあまり面識のない人と登った。面識がないと言っても、出張先でその時点では3日間お世話になった人達なので、全然知らないわけではないけど、いわゆる「どんな感じで山を普段登っているのか」ということを知らないという意味である。

たまたまその職場は比較的山登りが好きな人が多いようで、登山部と称してハイキング的な所にコンスタントに行っているようだった。一人は3年ぐらい前から登りはじめて、行くときには毎週のように行くこともあるハイキング大好きな50代の女性。もうひとりは、入社2年目で24歳位の女性で、去年から登り始めたばかりだけど、今年は既に屋久島と上高地(大分から上高地は遠いよ!!)に夏は行ったという人だった。

山に一緒に行くことになったのは、たまたま前夜の宴会で声がかかって急遽誘われたので行くことになったが、私は休日出勤しなくて済むならば、実は個人的に一人でも行こうかどうしようかと思っていた。しかし、週末は雨の予報なので、バスを乗り継いで雨の中は勘弁だと思っていたら、前夜に予報が突然お天気が良い方向に変わったので、これ幸いとばかりに彼女らに合流したのだった。

そんないきさつのなかで、前夜私が何気なく「実は出張の荷物が重くて、雨具を持ってきたけど上しか持ってこれなかったんだ」ということを話していた。私は山に行く時は必ず上下雨具は携行している。今回だけは、仕事の合間に登れるかどうか大変に微妙で確率が少なそうなのでそういうことをしたのだった。(決してマネしないでください) ましてや、予め雨ならば登らないということにしていた。

そしたら、それを聞いていた彼女らの一人は雨具を私と同じように上だけしか持ってこず(苦笑)、もう一人はウインドブレーカーを持ってきていた。そもそも雨具を持っていないので、行くときはいつも兄に借りるという話だったが、今回は晴れ予想なので、雨具は持ってきていないという。かなり、「ええっ??」と内心驚いたが、あまり失礼のない程度に抑えた。

さらに、レポにも書いたが、二人とも地図を持ってきていないことが後半になり判明。確かに10回位も登っていて、観光的な山で標識がかなりあるので大丈夫といえば、大丈夫なんでしょうけど。でも、その反面、しきりにルートミスを気にしているということになると、地図と磁石を持てばいいのにと思う。

ベストセラーになった本に「地図の読めない女」という題名の本があるように、地図を持っていてもありがたみがない人もいるのでしょうが、いつも連れて行ってもらっている山行をしているのかな? とても魅力的な活動的な50代の方だったので、よいお友達に恵まれていれば自分で地図など読まなくても誰かが道案内になるということなのでしょう。

彼女ら二人を見ていると、「まさにハイキングと登山の違いってこういうことなんじゃないかな?」という想いがとても強くなった。ずっと頭の中で思い出そうとしているんだけど、私の大好きな作家の新田次郎氏の著作の中で、一人の女性が二人の男性に好かれていて(←いいなあ! 一度そんないい思いしてみたいが。苦笑 )、それぞれと確か山に行くのだけど、片方の人はハイキングをやっている人だった。表面は彼女から見るとよかったのだが、北アルプスの厳しい気象状況に置かれると、ハイキングレベルの山の知識だけでは対応しきれなくなって、やっぱりもう一人の山男(確かクライマーだったのかな?) の方がいいなあってことになるような小説であったと思う。題名がどうしても思い出せないが(誰か教えてください)、要はこの小説は、ハイキングと登山の違いを書いているというものだった。

新田次郎氏は、ご存知のように気象庁のOBで、小説での気象の描写はうまいと思う。今回の九州でのガスは、高山ほどの強烈なものではなかったが、それでも彼女ら二人にとっては、「初めてのガス体験」というから、それなりにやや厳しく感じたのかもしれない。そもそも好天の時にしか登っていない人達にとっては、ガス自体が未知との体験かな? ハイキングと登山の違いは、山の高さだけでなく、山が高いほど気象状況が厳しくなってくることも関係してくると思う。

ハイキングだけならば、雨具や地図が多少不備でもなんとかなる場合もあるし、今回もなんとかなった訳だけど、やはり登山という感覚の山だとそれはかなりまずい話になると思う。その違いを認識していない人も結構多いし、山だってそんなに明確にハイキングと登山の違いがはっきりしているわけではない。自分の場合は、たまたまクラブに学生時代から入っていたおかげで、装備だけはきちんと準備して山に向かうという姿勢が徹底されているが、そうでない人達がいるということを頭の中ではわかっていたつもりだけど、自分と一緒に登る人がそういう感覚の人と一緒というのは初めての体験だった。(逆に計画的に誰かと一緒に山に行く時は、必ず自分から装備は最低限これこれを持ってきてと言っていたから、事前にそういうことが防げたのだろう。) 

ただ山に登ると言っても、そのスタイルや心構えは両者においては、やはり随分違うものなのだなあと痛感した。
きちんとした準備をすることによって、遭難や事故を防ぎたいものです。

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