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2004/11/30

「ソロ」 丸山直樹著

昨日に引き続き、山の本の感想を。この本は、副題に「単独登攀者 山野井泰史」とあるように、日本屈指のアルパインクライマーで単独登攀の第一人者について書かれたものである。雑誌「山と渓谷」に97年~98年頃に連載されたものを編集して出版したというが、ちょうどその頃は自分はあまり山に熱心ではなかったので、雑誌もたまにしか買っていなかったので、「そういえば載っていたな」という感じだった。

今回改めて読んでみると、既に山野井氏ご本人の書いた「垂直の記憶」を読んで感動しただけに、この本の全体として持つ「丸山流に人物解説」という意味合いがとてもくどくどしく感じられてしまう。以前から「ソロは独特の見方をしている」みたいに言うのを聞いていただけに、なるほどと思ってしまった。もちろん、自分で思っている自分と、他人からみた本人は違うように見えるだろうし、多くは自分の書いた場合は自画自賛的なタッチで書かれていることが多いのだが、山野井氏の著作は本当に素直な「登りたい気持ちで一杯」というのが素直に伝わってくるものだった。だから「ソロ」の丸山流解釈はなんかちょっとなあ?という気分だった。

それと、丸山氏自身が大学山岳部出身であるがゆえに、アルパインクライミングがなんであるか知っているだけに、全てに自分の色をつけた解釈になってしまうのかもしれない。クライミング界の細かいニュアンスなどが描かれていて面白いかもしれないけど、あまりにそれに自分で色が入りすぎてしまうのがとても気になってしまう。

ちょうど前日に佐瀬稔氏の本を読んだだけに、さすがに一流のルポライターと言われただけに、そのあたりの本の運びがとてもうまく感じられたし、すっと頭の中に入っていく感じがしたものだが。比べてみるのも難ですが、ついつい比較してしまうものです。

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コメント

Yujiです。
小生は、ソロしか読んでいないのですが、単純に感動してしまいました。この手の本は、対象を褒め称えるものが多いと思いますが、結構客観的に書いてあるところが気に入りました。丸山直樹という人の本は、他に遭難の事例を集めたものを読みましたが(著書名は失念しました)、対象をシニカルに見ているあたりが、自分と似ている気がして、割と気に入っています。
しかし、この本を読むと、山野井泰史という人は、ヒマラヤのバリエーション壁を、セルフビレイ無し・ダブルアックスで登っているようにとれるのですが、それって私の勘違いですかね?(そんなこと有り得る?)垂直の記憶は、図書館で見つからないので、まだ読んでません(笑)。当家では、二人の子供も含めて本代がすごくかかるので、最近はヤマケイとかの雑誌も含めて、殆ど図書館のお世話になってます。因みに、今読んでいる小泉共司の「渓谷を渡る風(だったかな?)」も良いです。昔よく行っていた山域の話がたくさん出てくるせいもあると思いますが。丸山岳の大幽東の沢(黒谷川)なんて、ほんと行きたいですよね。

投稿: Yuji | 2004/12/14 16:25

Yuji君、昨日に引き続きどうもです。
「ソロ」を読まれているのならば、是非、図書館で「垂直の記憶」を注文されては? 山野井さん本人の弁は、あっけらかんとするほど素直な山への想いがつづられている本です。

シニカルな見方って、丸山氏は確かにそうですね。わたしゃ、単純な人間なんで丸山氏はうがった見方をしすぎているのでは?という感じがします。でも、私もたぶん最初に「ソロ」を読めば素直に感激したと思います。山と渓谷の雑誌掲載中にも少しは読んでいたような気がします。

私が2冊を読んでみたところ、やっぱりフリーソロで登っていると思うんだけど。。。セルフビレイを取って登っている場合もあるけど、特に雪壁なんかはセルフを取らずにダブルアックスでバリバリ登っているような感じに読めました。(クライマー系の方だとこのあたりの表現をもっとわかるんでしょうけど。。。誰かわかる方がいらしゃいましたら、ご教示願いたいです。)

投稿: MINMIN | 2004/12/14 23:30

昨日の書き込みで触れた本の、著者名、著書名友に間違っていました(苦笑)。正しくは、「高桑信一」の「渓をわたる風」でした。失礼しました。

投稿: Yuji | 2004/12/15 10:36

Yuji君、こんばんわ。高桑さんの本といえば、完全沢登りモードですね。来年夏にはどこか一緒に沢行けるとよかったのに、また遠くに行ってしまうのが残念。昔、丸山岳界隈にも出没されていたんですね。私は、あのあたりは手付かず状態ですね。

投稿: MINMIN | 2004/12/15 23:50

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