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2005/05/14

列車で山スキーに行くということ

いつも私のHPを見てくださっている方は、私が車を持っていないのでほとんどの山は列車で行っていることに気づいているだろう。単純に車を持っていないことと、また車に酔いやすい傾向にあること(これはなんとかしなくてはなりません!)、レンタカーを使いたくても運転が相当に下手なので使うことをためらってしまうレベルだということを含んで読んで頂ければ幸いです。
(ほとんどが愚痴話の世界なので、以下は読まない方が良いかも・・・・ 予めご了承くださいませ)


普通の登山は北アルプスの夏山シーズンを例にあげるならば、例えば夜行電車で行って現地に早朝着いても駅からバスが接続されていて、なんとか早立ちができる。理想的には夏ならば5時前位から歩きだしたいが、なんとか7時前には出発できる。また、バスがなくてもタクシーで相乗りできる可能性も高いのでそんなには神経質にならなくて済む。


ところが、雪山シーズンは全く駄目。スキー場がやっているシーズンならば、バスを使うことができる路線もあるが、4月に入ってしまうとそれも不可能。大体山滑りには、板とかブーツとかあって重たいので絶対的に車で移動するのが理にかなっていると思う。駅でのタクシー相乗りの可能性も相当に確率が低い。山滑りでは、夏山以上に早朝出発が絶対条件で、できれば雪が腐りだす前には登り切ってしまいたいので、そうなると行けるルートは大変に限られる。往復タクシーを一人で使うのも相当な負担感もあるので、要はアプローチ敗退となってしまう。体力的、技術的に行けるルートも一杯あると思うが、要は自分にとって「取り付くことができない」のである(苦笑) 基本的には山滑りは雪山の一分野なので、夏山みたいに悠長にやや遅い出発などは考えられません。もちろん山小屋もほとんどやっていませんし。なるべく「速やかに登って、速やかに滑り降りるというスピード=安全という考え方」が大切です。 そうは言っても、休まずには登れないし、自分はパワー不足なので速いコースタイムでは登れません。だからゆっくりランチタイムを摂ることなどはよっぽどの余裕のあるコースや、安全圏に戻らない限りしないことにしている


列車自体も、従来は新宿からは毎日急行アルプスの夜行があったので、行こうと思えばいつでも行けたのが、現在は「ムーンライト信州」という代替列車が金曜日の夜にだけ運行されている。だから、土曜日に天気が悪くて、日曜日が天気が良いと思っても行けないので、これまた「アプローチ敗退」。


本当にリッチならば、現地に前日のうちに宿に入っておき、早朝にタクシー代なんか高い安いなんて考えずに入山なんていうのがあるんだろう。山スキーではないけれど、知人で全国の山を歩くことを趣味としている方がいらっしゃるが、新幹線&特急又は飛行機などの利用+前泊ビジネスホテル+現地レンタカー の形で行動している。収入も私よりも遥かに良いようだし、扶養家族なし、親の半分援助で自宅を持っているようなお気楽人生ならば、それも十分楽しい選択だろう。(子供の教育費や住宅ローンなどにあくせくしているお父さんが聞いたら嘆きたくなるようなリッチぶりだけど、子供がいない人生もまた別の哀歓があるのでしょうね・・・) また、レンタカーも東京から運転して行くのはちょっと遠いので、現地レンタカーを使うと少しは運転苦手な自分にはいいかな?と思って調べてみると、レンタカーは朝の7時とか8時からの営業開始なので、タクシー代わりに使う訳には行きません。東京だと24時間営業店は結構あるのですが、地方だとほとんどありません。金曜日の夜のうちに現地に到着してレンタカーを借りる手もありますが、夜も比較的早く8時ぐらいに終わってしまうお店が多いようなので前日に借りるのもなかなか難しいようです。そもそもペーパードライバーの私が、夜の山道を運転するのは超まずい・・・でしょう。自分で考えてだけでも事故を起こしそうで、ぞっ~~とします。(爆笑)


また、細かい点が実は電車で行っている場合と車では色々な点で時間や手間が随分違っている。

まずは、問題となるのはスキーの持ち運びだが、夜行で行く時は自宅からやや離れた駅までバスを使えるが、早朝出発の時はバスの始発よりも先に駅に着く必要があるので、駅まで自転車で移動となる!! ザックを背負って、右手にスキーをぶら下げてチャリンコ君を漕ぐのは結構大変。もちろん、左手だけの片手運転は当然。大分軽い山スキーの板ではあるけど、何度か途中で手を休ませてあげないと一気には駅まで到着できない。スキーも長いのでとってもぶらぶらして走行しにくい。(早朝タクシーを使う方法もあるが、東京のタクシーはスキーを見るとあまり良い顔をしないのが事実。中にスキーを入れるのも大変だし、1度だけ早朝雨が降っていたので電話でタクシーを呼んで使ったけど、無愛想な感じで乗車拒否まではされなかったが、早く駅に着いて欲しいと思った。)さらに、電車の中で板を立て掛けておくのも大変。かつての長い板ならば、うまく立て掛けられていたのが、150センチと短いと、どこにも引っかからないで滑ってしまうので、ザックを使ってなんとか自立させるようにしている。


また、目的地に到着してからスキーをスキーケースから取り出すのもちょっと手間。現在使用しているスキーケースは極めて軽量にできていて、ツアー中に持っていても負担がないような薄っぺらな素材の製品(ICIスポーツのオリジナル品)。これが、微かにエッジやストックなどで擦っただけで、べりべりと破れてしまうので細心の注意が必要である。ゆっくり、丁寧に入れる時も、出すときも行う必要がある。既に初代はガムテープの補強をいろんな箇所にしまくっていたが、さすがにぼろぼろになったので今年でリタイア。恐らく車ならば、スキーを取り出す手間なんて、ほんの数秒だが、こちらは丁寧にやるので数分はかかっている。


また、ブーツのことも頭が痛い。兼用ブーツは軽量化されていてもそれなりの重さがある。必ずツアーでは使うものなので、予めザックに入れずに片手で別に持っていけばいいようなものだが、前述の自転車移動や混雑している都内の雑踏の駅を両手に重たい物を持っての移動は大変だ。両手をふさがれてしまうと、切符の出し入れさえも困難だ。せめて片手にスキーならば、理想は片手は手ぶらだが、どうしても無理ならば、翌日の朝食などのごく軽い紙袋程度が限界かな。間違っても、両手に大きな荷物は移動には著しく困難に感じてしまう。(ここが、普通の登山と違うところで、縦走での大きなザックの時も、片手は通常は何も持たない)たまに車中泊や前泊のテント泊のプランでお誘いいただくこともあるが、シュラフが夏ならば小さいので良いが、この時期のシュラフは寒がりの自分では相当な大きさなので、簡単にシュラフを持って来てと言われても困ってしまうものである。当然ザックには入らないし、スキーと大きなシュラフを持って両手をふさがれて、えっちらちこっちらと夜の混雑する都内を横断するような形で交通機関を乗り継いでどこそこに来いなんて言われても、全くこちらの気持ちにもなって欲しいものだと思ってしまう。都内を車で通り抜けることが相当な時間がかかって大変なように、電車で通り抜ける事も時間以上に心理的な負担感が先にたってしまうのです。


また、ブーツを入れるためのパッキングもかなりやっかいである。スキーツアーではなるべく軽量化が絶対なので、あまり大きなザックを使うとザック自体の重さがあるのでよくない。この前の双六小屋ベースの小屋泊まりでも、ザックは40Lを使用。自分の場合はスキーを取り付けられる小さめのザックがこれだけなのでいつも同じザックを利用している。ところが、40Lのザックに兼用靴を入れるのはなかなか困難。入ることは入るが、うまく入れないとすぐに膨れ上がってしまう。だから、登山口に着いて兼用靴を出して、それから再度、一旦取り出したその他のものを適宜パッキングしなおして、それから出発となる。ツアーから戻ってきたら、ますます面倒。兼用靴の水分を綺麗に?拭いてから中に入れるが、その他のアウターなどの衣類も使わない物をきちんと折りたたまないとザックには収まりきらない。多くの場合、疲れてやっているので雑になり、帰りは往きよりも大きく膨れ上がったザックで帰ってくることになっている。(苦笑) めったに来ないバスや列車の時間を気にしながら、パッキングをするのもなかなか時間との競争みたいなことが多く、ここでまた一苦労。


だから、本当は温泉が大好きなのだけど簡単に「温泉セット」を持っていくこともできない。(そもそも温泉なんぞに寄っていたら、その日のうちに自宅に帰りつけなくなってしまう。)他人の車に同乗してゲレンデスキーは行ったこともあるので、そういう場合の自宅まで車が来てくれたありがたさとお気楽さと快適さを一応知っているので、本当に現在の自分はなんてストイックな方法で山に行っているんだろう思ってしまう。現在はゲレンデスキーに泊まりで行くときは、宅急便で少なくとも板だけは、場合によっては荷物も一緒に全て送っているので、都内の駅を大きな荷物を持ってうろうろすることもだいぶ少なくなった。


なんだか、ここまで書いているうちに、ますます「やっぱり山スキーは車だ!!!」って思うものだ。去年の山の目標は実は「車を所有することと、持病を治すこと」だった。山を登ることよりも、アプローチで敗退しているようでは先細りだなと・・・・ 今年の目標もまたまた「車を所有すること」だなあ。どんなにボロの中古車でもいいんだけど、やっぱり駐車場代や保険、維持費のことを考えると年間あと約50万位は必要になるので、この厳しいご時勢に、とほほな課題である・・・・ 年収で50万をアップさせることは極めて至難なことだ!!


それにしても、なんか本当にほとんど良いことがないような「列車で行く山スキー」って感じだが、誰でも感じるメリットは「車を運転しなくて良いこと」と「疲れている帰りの列車の中で思い切りアルコールが飲めること!!」だろうけど、私は下戸なんで後者のメリットが全く感じられないことが皮肉なご愛嬌♪ だけど、前者は車の運転は大好きで疲労感を感じない人もいれば、それなりの疲労感を覚える人も多いだろう。


結構、こんな難行苦行のような?山スキーの旅も、さすがに自分がもっと若い時ならば良かったでしょうけど、いいお年頃?(苦笑)になったので、卒業したいものだとつくづく思うものです。それでも、ここまでやってきたのは

 やっぱり、山スキーが大好き \(^〇^)/ \(^〇^)/ \(^〇^)/

ってことなんでしょう。好きこそはやっぱり、第一の条件ってことでしょう。


長々とした愚痴話でしたが、ここまで読んでくださった方はお疲れさまでした ペコンペコンペコン

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コメント

私も車を持たないので、登山口までは公共交通機関で行くことがほとんどです。雪山は行かないのでMINMINさんほど悩みは深刻ではないですけど、早立ちしたいというお気持ちは全く同感です。でも、山に排気ガスや騒音を持ち込まないで済むのは利点ですね。
未明に降ろされるのを厭わないのであれば、夜行バスを使うという手もありますよ。
http://www.seibu-group.co.jp/bus/kousoku/niigata/index.html

投稿: かめの | 2005/05/14 23:12

MINMINさんこんばんわ。かわいい背景ですね。電車派の私としては同じ悩み同じ苦労・状況で思わず笑ってしまうところもありました。

スキーケースは、軽く薄く丈夫にできているのですが、ストックの石突に引っかかって私もビリビリと裂けてしまいました。(リングを外したり付けたりするのが面倒そのままにしているので、窮屈になっているところを無理やり出したり引っ込めたりするのが原因と分かっているのですが・・・)

ブーツは一番奥にしまうので、MINMINさん同様、現地でパッキング一から出直しです。(笑)

私は車の運転(ペーパー)&機械操作苦手ですので現状維持でこれからもこのスタイルは硬派に貫くしかないかな?と思っています。

電車は電車で寝ていけたり、気兼ねなくお酒を飲めるので私としては好きです。油断していると荷物がうずもれているというハプニングにも注意が必要ですよね。MINMINさん!

投稿: 山人 | 2005/05/14 23:17

わ・は・は。(爆) いや、ごめんなさい。
クロカンの細い板でも電車では肩身が狭いので(リュックがあるし)、MINMINさんのお気持ち、少しは判るかもしれません。
私も一人歩きだし休みは平日だし、縦走も季節外れが多いので、バスがなかったりが悩みです。
ただ山に行くのに一人一台の車ってのが、どうも個人的には受け入れがたい思いがあります。
でもMINMINさんの状況では、絶対車が便利ですね。
しかしペーパードライバー仲間としては、疲れて夜道の運転もいやですね。 う~ん、大変。

投稿: REI | 2005/05/15 12:31

★かめのさん
新潟方面のリンクありがとうございます。これがよくガイドブックに載っている「夜行バス」ですね。
かなり安いので、夏山の時期ならばいいですね。
さすがに雪の季節は寒すぎる~~(笑)

>山に排気ガスや騒音を持ち込まないで済むのは利点ですね。

これに関しては自然保護の色々な考え方があるので、このようなところで軽く話す内容ではないのですが・・・
簡単な私見を述べさせていただくと、自分の車を使わない罪悪感はないかもしれませんが、バスもタクシーも結局使うので、大差ないかと思います。(地元経済には貢献できますが)

むしろ、バスは上高地に使われている低公害車(ハイブリット車)でもない限り、どうかと・・・ 最近は路線バスに乗ってもガラガラなので(ひどい時は一人とか二人とか)に、人数メリットもあまりなく。これならばマイカーの方がまだマシ?
バスもタクシーもディーゼルエンジンだし、排気ガスの点ではどうなのでしょうか????

★山人さん
いままではワンちゃんだったので、こんどは猫ちゃんの柄に模様替えしました。かわゆいよね!

スキーケース、やっぱり引っ掛けたりしてますか・・・。素材が丈夫なのを使われていても、結構そうなるんですね。山板のビンディングは特にゲレンデ用よりも大きいので私もぎちぎちに入れてます。

ブーツは、自分の場合上半分に入れるので入れ替え作業は半分で済みますが、やっぱり面倒ですね・・・ ザックやスキーをすぐに列車から降りれるように常に確認しておく必要性を書き忘れました(苦笑!!)

山人さんは、まだまだ20代の若さですから、当分頑張ってください♪ あと10年ぐらいは軽く頑張れることでしょう。それに飲む人はかなりメリットあるものね!

★REIさん
季節はずれや、平日だと相当にきついですね。
タクシー相乗りの可能性も低いし。クロカン板の持ち運びはスキー以上に目立ちますものね。
そういえば、最近はスキー宅急便やスキー人口の減少で都内の電車の中でも冬のシーズンでもスキー持っている人が凄く少なくて、乗客の人もあんま理解ないような気がなんとなくします。

ペーパードライバー仲間としては、運転の負担感は未知数ですよね。でも運転できればもう少しスキーもゲレンデに通ってうまくなるとか道が開けるような気がして・・・。思案のしどころですかね・・・。

投稿: MINMIN | 2005/05/15 20:19

大変な思いをしても山スキーに行きたい!
っていうMINMINさんの想いがよくわかりました。
やっぱり山スキーって楽しいんでしょうね。
山スキーをやらない私は、車を持っているものの電車派です。
電車の中で読書ができる、景色が眺められる、ぼーーっとできる、ビールが飲めるってのが好きなんです。
それに単独の場合、電車の方が安くあがりますよね。

投稿: GAMO | 2005/05/15 21:09

MINMINさんのご意見はごもっともですね。
ただ、バスは自分が乗る・乗らないに関わらず走るので、排気ガスは「自分のせいではない」と言い訳できます。タクシーの多くはディーゼルではなくLPGで、排気ガスはガソリン車よりクリーンだそうです。まあ、あくまでも自己満足のための後付けの理屈ですので、どうかお気になさらいでください。
レンタカーについては、「運転苦手」だからこそ使う、という考え方もありましょう。万が一のときのサポートが、レンタカーは比較的しっかりしていると思います。
大切なのは、大好きな山スキーを楽しむというそのお気持ちを失わないことでしょうね。車を所有したときの経費50万円を年間の使用回数で割り算してみて、MINMINさんにとってベストな策を見つけて下さいね。

投稿: かめの | 2005/05/15 21:12

★GAMOさん
私も山スキーやる前は、十数年は残雪の時期はつぼ足登山でぼちぼちと楽しんできたから、GAMOさんの尾瀬のレポ、懐かしい気持ちで拝見しましたよ。

交通費については、確かに高速料金を一人で払うとなると、むしろ列車+タクシーの方が安いかもしれませんね。ただし、ネックがやっぱりこの時期の山スキーのアプローチですね。
それと、連続して山に行けないというのもネック。車中泊するならば、宿代が浮くのでそのあたりもいれてやっと少しまあまあの割安感がでるかでないかぐらいかな?

★かめのさん
タクシーのLPGがガソリンよりもクリーンというのを聞いて、ちょっとほっとしました・・・

レンタカーについては、傷をつけてしまった場合は保険で修理費自体は支払われるのですが、修理期間の休車損害は保険とは関係ない部分なので、場合によっては一日あたり2,3万位請求される可能性があるので、大きく壊すと修理日数分請求されるので恐ろしい金額請求が・・・・これを考えるとちょっと下手っぴMINMINでは車借りられません(苦笑)
まあ、かすり傷ぐらいならば、休車損害は請求されないようですが・・・

なんか考えれば考えるほど・・・。まあ、秋ぐらいまでに結論を出そうとは思ってます。

投稿: MINMIN | 2005/05/16 23:23

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