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2005/10/30

「四度目のエベレスト」村口徳行著

以前に63歳で世界最高齢の女性登山家の渡辺玉枝さんがエベレストを登った体験などを綴った「63歳のエベレスト」という本に感銘を受けた。(その時の感想は、私のHPの「おしゃべりROOM総集編第40話」に載せてます)


そのときに一緒に登った方が村口カメラマンだった。その彼が本を書いたということはS夫妻からも聞いていて、最近ではREIさんからもなかなか良い本だよという話を伺った。たまたま本屋さんに行ったら、とても綺麗な表紙の文庫本がその本だった。


4dome

早速買ってきて読み出した。写真がとっても綺麗なのは当然だが、内容がとっても良い。一気に読んでしまった。4回のうち、2回が仕事で2回がプライベートという。2回目が渡辺さんとの遠征で、3回目が三浦雄一郎さんのものだ。


登頂シーンを期待するとちょっとがっくりなほど、あっさりとして書かれているので、期待しない方が良いと思う。それよりも村口氏が山に向かう姿勢というのが、とても小気味良い。現在エベレストの一般ルートはある種のお金を出せば誰でも登れるに近い実態があるとは聞いていたが、本当にその一端を垣間見る思いがした。その中でも、普通の人がそれなりにちゃんと準備して、きちんとトレーニングして登るという行為に対しては理解ができるようだが、本当にどうしようも無い人まで来ている・・・・というには、ちょっとユーモラスな感じで書いてあって面白い。


それと、この本で出てくる渡辺玉枝さんは、やっぱり凄い人なんだなって痛感した。村口氏は、カメラマン特有の客観的な見方をする人だが、その彼は全体に辛口なんだけど、その彼をしてうーんっていう感じなんで、やっぱりすごい。


この本では、山はただ登ればいいというものではない、どう登るのか、人から作られたものでない自分自身のタクティクスが重要である・・・・という。自分としてはこの本を読んで一番気に入った感想である。それと、もう一つは7000mを無酸素で登れない人はエベレストを登る資格が無い・・・というような考え方の部分だ。これは、とっても真実だなあと思う。有名な著書の「空へ」を読むと、いかにエベレストは極限の世界か・・・・ということがわかるが、少なくとも自らの肉体を7000m位までは無酸素で居られるレベルにしておかないと、たとえ酸素を吸って8000mに登れるといっても、あまりにもリスキーであるということだ。


今年の夏に自分が登ったマッターホルンでは、4400mレベルでかつ短期決戦なので、あまり高所順応というよりも、純粋な筋力とか体力の方ポイントだったと思う。ガイド登山をしたので、色々と思うところがあった。自分としては、体力面では完全に足りなかったと痛感しているが、幸いにも自分のタクティクスが「だめもとで、日数を多くとって狙う」作戦と理解あるガイドのめぐり合ったということで登れたのだと思う。この程度をタクティクスと言ってよいのかどうかは?だが、それでも自分なりに考えた方法なのでした。

この本は、全然エベレストを登ってみたいとは思っていない自分にも(爆笑)、とっても良い本です。特に、76ページ以下に載っているヒラリーステップの大渋滞の写真の様子は必見です。いまや、どこぞの日本のGW並みの渋滞の様子とは、感慨深いものがあります。

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2005/10/29

ブログとホームページ

いつも私のサイトに遊びに来てくださっているえみ丸さん
ぴとこさんのところで、ブログとホームページの作成の意識の違いとか、そういったことが話題になっていたので興味深く拝見した。


自分も実はお二人とはちょっと観点が違う部分もあるけど、いろいろと思うところがあるので、少し書いてみようと思う。ホームページを書くときには、あくまでも後々まで記録が残るという意識で書くから、なるべく客観的に(⇒全然主観的って思う人もいるとは思うけど)、他の人がそれを読んで山に行くことがあっても、そう間違いがないように・・・と思って作っている。(もちろん、自分でガイドブックや地図を見て調べて行くことは、当然すぎる前提です。それさえもやっていない人のことは考慮には入れてません。あくまでも補足情報としてお役に立てればと思っている程度です)


それに対して、ブログはそもそもが日記機能なので簡単にサクッと作れるのが嬉しいところです。だから、ちょっとした愚痴や思いついたことを書くのには嬉しい。それで共感がそのテーマについてコメントを誰かから頂けるともっと嬉しい。もちろん、別の意見なども<あまりシビアな議論とか文章上の喧嘩というレベルでなければ>大いに結構。


だけど、ブログは簡単に書けるがゆえに中身の吟味が少し甘くなりがちで、ちょっと・・・となりやすい部分が出てきてしまう。私も以前は結構気楽にブログの前身の日記の時代から、身の回りのことや仕事のちょっとした話、そして山の話を中心に書いてきた。しかし、である! 会社では、現在情報漏えいとか、顧客情報とかにものすごくピリピリしていて、なんだか少しでも仕事に関連するようなことを書くとなると大丈夫かな?って気持ちが先に走る。


ここ1年以内に、全社員および全関連社員(人材派遣で来ている多くの方達や関連会社の社員なども含めて)全てにパソコンによる「誓約書」で現在過去未来にわたる(退職後にも及ぶ)、「私は守秘義務を守ります」というのに捺印のような感じのサインを行った。


従来からも絶対に個人名がわかるようなことも書かなかったし、特定顧客に関連するようなことがあからさまにわかるようなことは書いてこなかった。だけど、ぼんやりした書き方だけど、こういう仕事をしているんだなってことぐらいはわかる程度には書いたことはある。でも、なんかとってもウルサイ時代になったので、こんなことでマイナス点でもつけられたら大変だ。


ちょうど今日の日経新聞の土曜日のNIKKEIプラス1という別刷りの冊子に「ブログでは会社の仕事の話題を避けよう」というような記事が載っていた。とってもまさに今の話題とぴったり。やっぱり、こういう記事が載るということは、それだけブログが市民権を得てきたということだろう。一部の会社では逆に個人名で「私はマイクロソフト社の社員です。」とはっきりと明示した上でブログを公開するように指導している会社もあるというが、大部分はやっぱり匿名性のある書き方のほうが無難だろう。


自分の場合は、山がいくら好きだからといっても、生活をしている部分からインスピレーションを得ることの方がはるかに大きい。仕事で体験したことや、感じたこと、とても役立つようなことを普遍的な形で他に人に伝えられたらとってもよいなって思うのだ。しかし、何でそんなこと私が知っているのかというと「ある団体」や「ある個人」のことを仕事で担当していたりするからこそ感じることだったりする。どこまでを・・・というと、結局はボーダーラインの話にひっかかってくるから、結局は書きたくても躊躇する話となる。


あまり気にしすぎるのもどうかとは思うが、ブログもお気楽に何でも書けるっていう気分じゃないってことは最近思うところだ。結局は、無難な山の話とかなら書ける訳だが、でも本当の自分は仕事で感じることの方がブログのつぶやき的なメッセージとしては書きたいものだから、困ったものだ。

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2005/10/19

ヨーロッパ登山の謎の話(その1)

今度自分とリンクをしたゆきさん(HP名「雪のアルプス手帖」)と、たまたまミニオフ会でお会いすることができて貴重なお話を伺うことができたので、その備忘録を兼ねて、このプログに書いておこうと思う。

彼女はフランス在住の方で、たまたま日本に一時帰国されている時にお会いしたのでした。彼女は日本を出てから登山に目覚めたという珍しいパターンの方で、逆に日本的な登山を知らない方なので、とっても話をしていて面白かった。ちょうどお会いした時が、私がヨーロッパから帰国して間もない頃だったので、私がヨーロッパで感じていた謎が色々と解き明かされる気がした。

まず向こうで思っていた私の謎は、「欧米人はなんて暑がりなんだ。こんなに寒いのによく平気だなあ」という感想だ。ヘルンリ小屋の外はかなり寒いのに平気でテラスで皆寛いでいるし、小屋の窓が夜中なのに大きく開け放されていた。少し窓を開けるぐらいならば通風を良くしようというぐらいでわかるのだが、大きく開け放った窓というのは、日本の3000m級の山小屋では見かけない風景だと思う。温度は日本よりも寒いと思う。

まあ、もともと自分は寒がりなのでそう感じる部分もあるけど、今回ご一緒したS夫妻なども、何度もスイスなどの山に行くと同じように山小屋の窓が開いている・・・・と嘆いていましたっけ。そもそも下界のホテルでも、必ず窓は結構開いているのです。
本当はストーブがたかれてもよさそうな寒さなんだけど、全然ないんで参った・・・・

それが、なんとゆきさんに伺ったところ、フランス人の平熱の体温は37度台という!!
それって、日本人じゃあ赤ちゃん並みの体温ということではないですか(絶句)
道理で、彼らは暖かそうにしているのです。私だって、37度ぐらいの熱があると微熱でぼっとして、窓とか開いていると気持ちがよいかも。大体、36度の真ん中位が自分の平熱だとすると、36.8度とかになると、やや暑い感じで微熱って感じ。37度2~3分だと完全に病気の世界です。

日本人でも、基礎代謝が大きそうな活発な男性だと近くに寄るとなんとなく熱を持っているというのか、夏だと暑苦しい感じでしますよね(失礼) 最近は35度台の体温の人も多いなんていう話は聞くぐらいですが、平熱が逆に高い人の話というのは聞いたことがありませんでした。

どちらにせよ、民族的な違いというのは、実は体温からして違うのから思うと凄いもんですね。なかなか西洋人パワーというのか、骨格が違うだけでなく、体温まで違うというのには本当に驚きで、目から鱗という感じのお話でした。

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2005/10/16

地震だ・・・・

今日の地震、うーん鋭い揺れで大きかったですね。
レポを作っている時で、近くにあるテレビが揺れて台から落ちないか心配でした。
でも、まあ震度にするとそんなには大きくなかったようで、不思議。

すっかり忘れて、近所に買い物に出かけて戻ってきたら・・・・マンションのエレベーターが止まってました。
(行きは階段を降りたので気づかなかったのでした)
地震でエレベーターが止まるとは、さすがに初めての経験でした。
食料一杯かかえて、えっちらこっちら階段を上がりましたが、それにしても、地震でやっぱりエレベーターが止まるものなのかと、改めて新鮮に感じました(なんのこっちゃ・・・・)

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2005/10/10

デジタルプリント

スイスで一杯デジカメ写真を撮ってきたが、その枚数はおよそ1200枚強。帰ってからすぐに、パソコンとCD-Rにデータを保管したまではよかったけど、DVD-RWがないので、CDが3枚に分かれてしまって、結構データの整理がめんどうだった。バックアップをとって、そこまでで疲れた・・・・
一応マッターホルンの写真だけは親しい人に見せるために、初めて写真屋さんでデジカメをプリントしてもらった。いつもはデジカメはパソコンで楽しむだけで、いずれ自分のプリンターで焼こうか。。。。ぐらいなんだけど、さすがに今回はめったに行けないところなので、まずはどんなできばえか確認したくてマッターホルンの前後のみを焼き増した。


デジカメの写真は、インクジェット式のプリンターで印刷すると平板な感じに写るという印象が強いけど、さすがに銀塩フィルムの長年の技術蓄積のおかげもあって、完璧に綺麗。やっぱり、お金かかるけど、いいわぁ~~。
盛んに写真屋さんに行くと、「自分のプリンターで印刷しても、経費は35円前後かむしろそれ以上かかる」と謳っているけど、自分だと失敗作もできるし、やっぱり頼んだ方が安いかもしれない。


それでもって、調子にのって、この3連休にデジカメ写真を一気に焼き増しへ。
自分のよく行く写真屋さんのチェーンは、自宅のパソコンから画像を転送するソフトを無料配布していて、簡単なトリミングまでをじっくり自宅で行って、自宅から注文が出来てしまうのだ!!
デジカメというと、店先の機械かなにかでせせこましく操作するイメージがあったのだが、自分の好みで少しずついじって余計な画像とかも端を切ったりしてできるので、とても便利で楽しかった。
やっぱり、デジタルプリントはなかなか良いです。

ついつい調子に乗りすぎて、Sさんが頂いた写真も合わせると1500枚近く?になる大量な写真から、気に入ったのをチェックして、一杯注文してしまったので、参ったもんです。(汗汗・・・)


それと広角が私のデジカメでは撮れないのと、万一カメラが壊れた時のためにフィルム用のコンパクトカメラも1台持って行き、それは色が綺麗なのでスライドフィルムを入れて行ったので約80枚ほど撮影。現在スリーブの状態までは準備しているけど。これも、スキャナーでかけてデジタル化させる作業が残っているので、まだまだこれからも、写真の作業が続く。


最後には、本当に気に入った写真だけを自分のプリンターでA4で印刷して部屋に飾りたいのですが、いつになることやら・・・・

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2005/10/06

テレビが困った・・・・

久しぶりに日記を模様替えした。さすがに秋なので花火の絵柄はないだろって・・・・。

このところ山のレポ作りに追われていて、日記まで手が回らない。かきたいネタは常時あるのだけど。書き出したらきりがない。

とりあえず、今日は愚痴話。実は、うちのテレビが壊れかかって、既に画面の上10センチぐらいは見えない状態が続くこと約2ヶ月ぐらい? ヨーロッパに行く前からおかしくなっていて、スイッチを押してから最低でも5分から10分、酷い時は30分ぐらいしないと画像が見えない。場合によっては、何分たっても画像が見えないときもある。音だけは聞こえているラジオみたいな状態だ。画面の上10センチの所から上も見えなくもないが、画像がゆがんでいて判読不能。線が何本か入っている。だから、地震速報とか交通情報などが画面のテロップで上に出るときは全く困る。

でも、正直なところヨーロッパ旅行は久しぶりに貯金をかなり使って行ったので、金銭的に現在あまり余裕がない。去年もたしか秋か冬にいっせいに家電製品が壊れて、冷蔵庫と電子レンジと掃除機を変えたばかりなのだし、困った事態だ。現在、大型液晶テレビとプラズマテレビは新聞でも報道されているぐらい、毎月値段が下がる競争みたいな嬉しい事態になっているので、もう少し待てば、よりやすく手に確実に入るだろう。。。。。液晶だと大体32型で22万ぐらいで安いのは売っているようだけど、もう一段さがったら買おうとは思っているのだが。やはり20万を越す出費は避けたいものだ。

秋になって、夏よりも少し過熱しなくなったせいか、少し症状が落ち着いてきたが、それでも、今日は気に入った感動的なドラマを見ている最中に画面が見れなくなって真っ黒。慌てて、一旦スイッチを切って、再度入れたら、3分後ぐらいには復活して、ほっとした。

頼むからあともう少しテレビが安くなるまで、我慢して壊れないでね。

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