« 「死のクレバス」やっと読みました | トップページ | 田中康夫知事と遭遇 »

2005/11/23

富士見平小屋事件と水晶山謎の死

ホームページの方の掲示板でたまたま富士見小屋事件に関することが出たら、結構反応する方々がいてくださったので、この事件に関連する話を書いてみます。

(なお、今回の2つの事件はかなり古い記憶に基づいて書いているので、不正確な部分があることは予めご了承くださいませ )


富士見小屋事件と言っても、知らない人も多いと思います。たぶん今から20年ぐらい前に奥秩父の金峰山や瑞がき山に行く途中にある富士見平小屋で小屋に泊まった女性が強姦された上で殺される殺人事件があったのです。事件からしばらくした後で(ぼんやりした記憶ですが1,2ヶ月後か?とにかく少し経ってから)犯人は捕まったのですが、なんと犯人は小屋の管理人だったのです!! この小屋はバス停の終点から1時間程度の場所にあり、小屋の管理人は市町村からの委託業務の雇われた人だったと思います。


私の記憶だと、この小屋の前をたぶん1ヶ月位前に通過した後に事故が発生したと思います。(あるいは事件は1年後かもしれません)が、自分は1982年の11月23日前後の連休に大学のクラブ合宿で雲取山~金峰山を縦走してきて、あとバス停まではもう少しだと思って歩いていて、トイレが行きたくなって小屋の外にあったトイレに立ち寄ったことを覚えてます。あたりは小春日和の素晴らしいのどかな景色で、紅葉が終わったあとぐらいで落ち葉の一杯の登山道を歩いた良い想い出です。トイレは昔の山小屋なんてどこも綺麗ではなかったので、木の扉が情けない程度のしっかりしていないトイレのイメージだったと思います。よっぽど外でするほうが気持ちがよいでしょうけど、さすがに開放感があって丸見えの地形なんで・・・・。


そんな小春日和の秋の良い想い出の後に事件は発生したので、とてもショックでした。強姦殺人という女性としては許しがたい犯罪です。事件当日に小屋にその日泊まった人は他にもいたようなのですが、トイレに行った女性が戻ってこないということで騒ぎになったのです。事件は12月に入った頃だったような記憶です。翌日あたり遺体は発見されたと思います。最初の発見者が犯人の管理人だったと思います。(このあたりの記憶は不確かです。)


さらに、実はもっと恐い話で、この少し前(1年前ぐらい?)には同じ奥秩父の水晶山で女性2名が行方不明になっていたのです。この女性2名は、結構有名な社会人山岳会の会員で、夏山に備えての訓練で2名でたしかツェルトを持って縦走をしていて、行方不明になったままでした。連日ワイドショーで謎の失踪ということで、消息を求める番組がやってまして、社会的にも話題になってました。比較的人が少ない時期のたぶん6月ぐらいの時期だったか?行方不明の場所もわからず。足取りの目撃証人などを追跡しても、途中までしかわからなかったのです。ワイドショーなどが、前後に歩いていた単独の男性が何人かいたので、色々さがしたり、推理ドラマみたいにたくさん取り上げられたのですが、結局は遭難した場所自体がわからなかったのです。最後の足取りから甲武信岳付近であることまでは突き止められたのですが、その夏一杯わからず。結局は翌年の夏ぐらい?に白骨化した遺体が水晶山の斜面から発見されたのでした。


私がそのクラブ合宿でそのあたりを縦走した時には、遭難は話題にはなっていたけど御遺体は発見されていなかったような記憶があります。あたりをきょろきょろして発見できないかな?とかしていたような微かな記憶が・・・。あるいは、発見された年だったのか、どのあたりなんだろうか?とか思って遭難場所付近を通過した記憶があります。


水晶山の女性2名は、白骨化した遺体からは決定的な事件性を裏付ける資料がでず。二人とも登山道からやや外れた斜面でそんなに場所も離れずに発見されたのでした。最後まで死因が不明で、たぶん現在も解明されていないと思われます。もしかしたら落雷にあったとか?事件というよりは結局は事故だった可能性の方が高い・・・・そんな感じでの終結でした。


かなり経った2つの事件は、いずれも場所が奥秩父ということもあって、私の母親などは奥秩父に行くと言うと水晶山の女性2名失踪の件がどうしても連想されるので、クラブで行くと言っても恐そうでやめろという始末でした。とにかく水晶山の事件はワイドショーが毎日放送していたこともあって私も未だに一人で奥秩父のあの界隈に一人で歩く気持ちになれないものです(苦笑)


水晶山の謎の失踪事件、さらに翌年ぐらいの感じで富士見平小屋事件と立て続けに奥秩父で山の事件があったので、今では遠い話になりつつありますが、やはり自分の中では未だに恐い事件だと思ってます。比較的里山に近いので、単独女性にとってはちょっと気をつけたほうがよさそう?今年の春頃には奥多摩でも、高齢者を襲った連続強奪事件があったり(犯人は捕まりましたが)、アプローチが比較的ラクというのは、実はその手の犯罪にも近いという部分もあるので、気をつけなければと思います。


自分の山行パターンを観ていると、車を持っていないせいもあって限られた山域で、比較的メジャーなコースに行っているのはある意味での犯罪にあわない自己防衛策ともいえるのかなあ? 奥秩父は家から比較的近いエリアなんで、本当はもう少し行きたいけど、アプローチもバスだと不便だし、恐い事件をどうしても連想してしまうので、誰かと一緒に行きたいものです(笑)


|

« 「死のクレバス」やっと読みました | トップページ | 田中康夫知事と遭遇 »

登山」カテゴリの記事

コメント

富士見平小屋の事件は衝撃でしたね。夜間に屋外で活動する天文同好会に所属(事件の2年後ですが)したのですが、PTAによる規制が強化されたことを憶えています。当時より今はさらに物騒になっているし、犯人は服役を終えてシャバに出ていると思うと…山で最も怖いのは人間ですね。
私も単独の行動が多いのですが、山中泊で他の人がいると臆病になってしまいます。一人きりなら安心なのですけど。
MINMINさんもどうぞお気をつけて。奥秩父は魅力的な山域ですので、信頼できるボディガードと一緒に行けるといいですね。

投稿: かめの | 2005/11/24 07:33

ほんとうに、人ほど怖いものはないのかもしれないですね。

学生時代、わたしも雲取から金峰へのコースを、秋合宿で縦走して(この事件より前のことですが)、とてもいいコースだなあ・・と思っていただけに、とてもショックだった覚えがあります。

学校を卒業して、実家に帰って、まわりに山友達もいないので、一人で行こうとしたら、母が『危ないから私もついていく・・』とついてきて、へレヘレになったの。それで、しかたなく、街の山岳会に入ることにしたんです。実は・・。

投稿: ぴとこ | 2005/11/24 08:55

富士見小屋の事件、詳細は知りませんでした。そうだったんですか。前に行ったとき、ここでこわいことがあったんだよって教わったくらいでした。
最近自分も単独が増えてきたのでちょっとこわいです。気をつけなければ。こうみえても有段者なんですけどね。

投稿: Aurora | 2005/11/24 13:35

あ、富士見平の事件、私は女性が1人で泊まっていた
って聞いてました、ソロで来たっていう意味だったのかな。

水晶山の事件は山小屋の主人の話を本で読んだんですが
やっぱり今でも謎のままらしいですね。
2人共、落ち葉で遺体を隠していたのだとか。
1人だけなら説明が付くけど2人共そうなのは
やっぱり普通では考えられないって・・・・

投稿: えび | 2005/11/24 13:44

そんな事件があったなんて初耳でした。
本当にひどい話ですね。
今更ながら山というのは危険が一杯ですね、人も熊も雷も・・・。

女性の単独行がまだめずらしかった時は山に一人で入る
女性が目立ってたのでしょうが、昨今では女性の単独登山も
結構見かけるようになったので、女性の一人、は珍しくもなく
今後このような事件が起きないことを祈るばかりですね。

でもこういう話聞くと山行くのちょっと怖くなっちゃうなぁ。

投稿: ゆき | 2005/11/24 17:58

☆かめのさん
天文同好会もとんだトバッチリですね。天文観測は夜通し行う?でしょうから、治安が良くないと恐いですね。
男性と女性の違いもあるでしょうけど、さすがに自分はテントでそのテンバに一人っきりは恐いです。知らない人と二人というが一番恐いかかもしれませんが。できれば、3パーティー程度は居て欲しいものです(多すぎますか? 苦笑)

☆ぴとこさん
やはり事件の前に縦走されていたのですね。奥秩父のあの縦走はやっぱ秋が良いですよね。いかにも学生向き。(笑)良いコースだなって思ったところまでも一緒ですね。私はREIさんのご指摘により、事件の1年前に縦走してました。

ぴとこさん、街の山岳会に入ったことで、ご主人に出会われたのだから、素敵な事ですよね!! 何が幸いするかわからないところが人生かな。。。。

☆Auroraさん
いまどきの山屋さんだから、昔話は知らないでしょうけど。でも覚えていて良い話かなって思います。たぶん気を効かして悪い気分にならないためにあまり話さなかったのでは。


有段者って武道かなあ?
性犯罪のような犯罪者には、山でお会いしないようにこちらから避ける努力も必要かなあ。。。パーティーで歩いていると気づかないちょっとした工夫も単独では必要かと思います。

☆えびさん
ふたつの事件ともご存知でしたか。富士見平小屋の件は、私のぼんやりとした記憶では、彼女は一人だったけど、当日は別にも何人か泊まっていた・・・。夜、山小屋は皆でおしゃべりとかするから、それがお開きになってトイレに彼女が行った時に、管理人が後を追って外で事件は起こったというような記憶なのでした。他に人が居なければ小屋の中で事件は起こっても良かったのですが、他の人が居たから、外で襲った・・・っという記憶です。自分の記憶では、彼女が私も使ったトイレに立たなければ悲劇の事件は起こらなかった・・・って覚えているのです。

水晶山の二人に件、どの本なのでしょうか?確かに落ち葉がかけられていたというのは、不自然ですね。遺体が発見された時も、やはりかなりそれが話題になってましたね。なんか人為的っていうのか・・・。

☆ゆきさん
20年ぐらい前のことだから、当時山に関心がなければ覚えていないだろうなあ・・・・。後は本で読んだりとか。

確かにちょっと前までは女性の単独は少なかったですよ。私はかなり前から(REIさんよりは後のようですが)単独が多くて、山に行くと例の「お若いでしすね」と、「お一人ですか?」の連呼で、一時期ほんとうに嫌になってました。自分じゃ普通のつもりなのですが。ものめずらしさで、小屋に泊まると奇異の目で見られるので極力テントにしていた時期があります。今は女性が多くなって、山小屋のトイレも綺麗になって嬉
しいです。

逆にゆきさんが行くような山屋しか行かないというのか、行けない山はそういう意味では安全だと思います。北アルプスあたりに私も登っているときは、安心してテント張ってます。

投稿: MINMIN | 2005/11/25 00:26

今でも女性単独ってめずらしいのかも?
厳冬期の赤岳鉱泉に単独でテント装備かついで入って行ったら、テン場の人達がいっせいにこっちを見ました。「え?女一人?」ってかんじだったと思います。それとも単に私のかわいさに皆が釘付けになったのかも(嘘)
なんて冗談はさておいて、最近、野郎で山屋な友人と飲んだのですが、そのときその人は「女性の単独は絶対におすすめしない」とものすごく力説してました。理由は言ってなかったし聞かなかったけど、野郎同士でなにか隠された事実があるのかもしれません、、、と疑ってしまうような口ぶりだった。気のせいかも。

投稿: Aurora | 2005/11/25 12:27

厳冬期の赤岳鉱泉はさすがに寒いから女性の単独テントは目立つだろうなあ。。。赤岳鉱泉にはもう少し早春の暖かい時期に泊まりましたが、小屋泊まりでも女性単独は目立つかな。。。
山岳会だと必ずテントだけど、私はあの赤岳鉱泉の美味しい食事を食べたいのでテントはパスです。(笑)家で自炊している食事よりも遥かに美味しいです。(軟弱です)

Auroraさんは比較的小柄なので、男性から観るとかわゆいとかわゆいと思いますよ♪ 男性のお友達は、かわゆい人を見るとちょっかいを出したくなるから、自分の自制心を抑える必要があるから、女性の単独はやめて欲しいって思うのだと思いますよ。(笑)

投稿: MINMIN | 2005/11/25 20:51

あ、乗り遅れてしまった(^^;
実弟が事件直後に泊まったのは掲示板で書いたとおり。
私自身が泊まったのは事件より十年以上前で、
たしか無人小屋で、利用料金は備え付けの箱に入れておけばよいっていう、のどかな時代でした。
その後山には行かなくなってしまい、事件のことはリアルタイムでは覚えていません。
で、念のため検索をかけたら、山での殺人事件で女性が被害者って結構他にもあるんですよ。
MINMINさん、くれぐれも気をつけてくださいよお。

投稿: Masako | 2005/11/25 22:50

私なんてこのビジュアルですんで(爆)
そういう意味では何の危険もないすよ・・・
単独でもぜんぜんオッケーだな。

投稿: えび | 2005/11/25 23:19

☆msasakoさん
あの事件のさらに10年位前というと、私がまだ山登りを始めていない時期ですね。あの小屋は小屋番などを置くほど立派な小屋でもないので、最初から避難小屋だったら、あの犯人はあそこには居なかったでしょうから、事件はなかったでしょうね。

私も知る限りでも他にも女性の山での殺人事件は覚えているのがあるので、十分気をつけます。

☆えびさん
いえいえ、えびさんは私がお会いした時の印象では素敵な長い髪をしていたので、男性が山で見たら・・・。
一番良いのは、中性化して女っぽく見えなければ少しは効果的かと思うのですが・・・。(私は背が低いから、ちょっと無理ですが。)

投稿: MINMIN | 2005/11/26 10:51

20代の頃は、「小太りの男の子供」と間違われました。
鳳凰小屋で男部屋に入れられました。
今は、変なおばさんかな。 あれ、脱線。

投稿: REI | 2005/11/26 16:14

REIさんは、想像するにちょっとガッチリしたタイプなんでしょうかね?

女部屋ってあるけど、男部屋もあるのですね。知らなかった・・・ 。最近の女部屋はやや空いているので良いですよ。(昔はそんなもん、なかったと思うけど。)

投稿: MINMIN | 2005/11/26 19:13

下記に詳しく書いてあります。
http://www.chichibu.ne.jp/~elf/3/field/file1.htm
先週、瑞牆山に登りこんな事件があったとは知りませんでした。
富士見平の山小屋の番人は女性になっています。

投稿: ボビー | 2013/06/15 00:22

★ボビーさん
何年も前の記事を読んでくださってありがとうございました。
昔から山をやっている人の間では、かなり有名な話です。
当時は毎日ワイドショーでやってました。
また、その前に2名不明者が出ている事件のこともあって、大変な騒動でした。女性の管理人さんになったとは、本当に良いことですね。

投稿: MINMIN | 2013/06/23 18:18

昭和54年 1979年の事件です。
富士見平小屋事件 奥秩父縦走を終える頃に登山道を歩いている
と上空にヘリコプターが飛んでいました。
大学一年だったので年に間違いはありません。

投稿: sute | 2015/10/12 21:02

http://www.chichibu.ne.jp/~elf/3/field/file1.htm

二番目の記事と間違っていました。
すみません。

投稿: sute | 2015/10/12 21:07

昨年ある奥秩父で遭難しました、幻覚を沢山見てしまい、その中に登山道から外れた所を歩いていたら、地面に写真が落ちていて、若い女の子の二人移った笑顔の写真とおばあちゃんと五歳前後の女の子の写真が表向きに見える様に落ちていました、他にもパラパラ落ちていたのですが裏向きで見えませんでした、登山道がだいぶ外れた所にあんな鮮明な写真が落ちているはずないです。
水晶山の事件を後で知り、幻覚とのつながりがあるような気がするんですが、?

投稿: non2 | 2018/03/09 23:24

non2さん、書き込みありがとうございます。
現在、多忙なのでブログ放置していて気付くのが遅くなって申し訳ないです。

遭難、ご無事で生還できて本当によかったですね。
場所がこのエリアならば、水晶山の2名の謎の死の事件と関係あるかもしれませんね。
当時は相当広く探して、やっとみつかった経緯がありますので。幻覚だったのか、本当だったのか真相が知りたいところです。
今も謎の死のままでこの事件は終わっているみたいなので、ご遺族と関係あるお写真なのかどうか・・・

投稿: MINMIN | 2018/03/29 23:24

最近笠取山に行こうと言う話が出ていて、たまたまユーチューブを見ていたら、水晶山未解決事件を載せているのを見つけました。当時の新聞載せていました。お二人の写真載ってました。顔が少し違いますがまさにあの写真の感じでした
そしてなぜか今5年たち
たまたま私達が遭難中だった日に笠取山に行こうとしています💦偶然とは思えなくて?
おかしいですね💦

投稿: non2 | 2022/06/06 20:52

non2さん、コメントありがとうございます。
随分前に書いた記事だけど、なんらかの気づきになっていただければ幸いです。

いまもちょっと、あの界隈の山に行くとなるとこの事件のことを思ってしまいます。
まさにその時期に行くとなると・・・。ずっとご遺体が発見されなかったことも事件をより一層印象付けられました。

投稿: MMINM | 2022/06/07 21:57

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 富士見平小屋事件と水晶山謎の死:

« 「死のクレバス」やっと読みました | トップページ | 田中康夫知事と遭遇 »