定年退職
私のかつての上司達が、このところ立て続けに定年退職を迎えた。うちの業界は割りと早目にリタイア時期がくるので、ほとんど54歳とか55歳位だ。出向、転籍、繰上げ定年退職、早期退職等、いろんな言葉はあるけれども、要は今の会社から、関連子会社や取引先に職が変わることになる。一部は転職先が見つかるまで今の会社にいるものの、今までのような管理職でなくて一般従業員の仕事(私と同じ仕事って訳だけど・・・ 苦笑)をするのだ。
彼らはちょうど団塊の世代よりも少し後ぐらいの人達だ。一番最初の上司だけは、実家が資産家だったので、40歳を少し越したあたりで独立起業して今では高級外車の中古車販売会社経営と飲食店関係等の仕事をやっている。とっくに自分の世界を切り開いて生きていっている。他の上司達は無事30ウン年勤め上げて、いつの間にか今年の3月で全員この会社には居なくなることになる。自分の仕事を見守ってくれていたり、周りから守ってくれたり、色んな思い出があるだけに、父親ほど年は歳は離れていないもののなんかとっても寂しい。
2番目の上司は気が弱いタイプで人が良いタイプだったが、子会社に転職なのでかなり近い位置にいるので、今後も会うこともありそうだ。でも、本当はその人は静岡で老後をゆっくり過ごそうと土地まで買っていたのに、静岡には良い就職先がないので、急遽出向中だった東京の今の子会社にとどまることになった。会社から出された条件は、「東京に自宅がない方はお受けできません」ということで、慌てて世田谷に新築マンションを購入(さすが、うちの会社の男性社員はリッチだよなあ・・・・)
3番目の上司は、ご夫妻とも東京出身なのに、何故か北海道に転勤した時に自然を気に入って札幌郊外のベットタウンに一戸建てを購入、今までも奥様と子供が札幌に残っているので半分ぐらいの年月を東京に単身赴任していた。今度の退職でようやく札幌に戻ることになった。一番今までで良い上司だったと思う。とにかく人物が大きい器だった。この人のためならば、こういう風に仕事したいな・・・って思わせる人物だった。とても人気が高くて、部下からすごく慕われた人で、毎年2回のこの上司主催のゴルフコンペ旅行は楽しかった。
4番目の上司は、相当頑張って部長様までおなりになったので(おおよその予想では無理だと思っていたが。。。うちの会社の部長になるのは、相当に大変・・・ ちょっとした会社の社長ぐらいの人数の上に立つのだもの。)転職先も結構良いところとなった。やはり第二の人生も第一の職場の出世次第かあ・・・・・
5番目の上司は、取引先に転職で、やっている仕事とは関連しているけど営業職なので結構大変そう。でも、とても前向きに仕事に取り組んでいる姿勢を感じられて、その人らしいな・・・って思うものだ。最近では山登りに結構熱を入れていて、私のマッターホルンの話を聞くと登りたそうだった。かなり健脚のようなので夢ではないかもしれない。
また上司というよりも、私のマンツーマン指導の女性の先輩は一足早く、割り増し退職金をもらえる早期退職をして、悠々自適。独身だったけど、親御さんもリッチなので、彼女はせいぜい週2回ぐらい関連会社でアルバイトで小遣い稼ぎしているぐらいだ。ある意味、男性の上司よりも断然優雅な生活を一足早く送っている。
こうやって書いていくと、もちろんもっとたくさんの人達に囲まれて仕事はしているのだけど、時の流れを感じてしまう。何人を職場から見送ったのかも、既にとっくにわからなくなってしまう。今回久しぶりに三番目の上司を中心とした送別会を行ったが、職場を離れても「この人には逢いたい、集まって昔のメンバーで飲もう」という気持ちになるのはさすがだ。
色んな上司がいたけど、やっぱり職を離れても一緒に飲みたい(といっても、自分は下戸なんで厳密には飲み会に参加するというニュアンスだが)と思うのは、その人の人間性だと思う。いろんな嫌なことも仕事では当然あるけど、時を経て風化していくなかでも、「この人となら・・・」って思うのは、やっぱりフィーリングとか感性とか、相性ってものだろう。「仕事はできる人だったけど、ちょっと・・・・・」というのは、困ったものだ。
間違いなく、残念ながら現在の上司は・・・・・・。現在でも、仕事を離れて一緒に飲みに行こうなんて思う人は稀。この間は、あまりにも可哀相なので若手女子社員が「誘ってあげましょ」という提案をしたのでご一緒いたしましたが、最後まで付き合いきれずに、自分はさっさと帰りました。愚痴の言えない飲み会なんて・・・・。残った人達は、上司を取り囲んでクレーム大会をしたのだとさ。ご本人はお酒が弱いので、どこまで部下からの注意指導を覚えているのか、甚だ疑わしいですが。。。。
まあ、サラリーマンは異動があるから石の上にも3年ということで、いつかまた再び素敵な上司が現れることを期待したいものです。
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コメント
お酒が入らないと上司に文句が言えないというのは、信頼関係が薄いような気がして、少し寂しいです。共通の目標を持って団結しているチームなら、上司が問題点を部下から指摘されることも歓迎されます。部下が安心して意見を主張できるような信頼感を築ける上司を、私は尊敬します。逆に、権威で意見を押さえ込もうとする上司を、心の中で蔑みます。
投稿: かめの | 2006/03/05 13:38
>お酒が入らないと上司に文句が言えないというのは、信頼関係が薄いような気がして、少し寂しいです
全く、ごもっともです。最初から信頼関係などは無いというのが現状です。共通の目的?・・・上司自身が「上しか=出世」しか見えていないのが丸見えで、部下は白けております。
会社自体の構造的な問題もあるので、ひとつの組織として融合するにはまだ時間がかかるようです。
投稿: MINMIN | 2006/03/11 13:11