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2006/07/29

三つ峠でマルチの練習(2日目)

(できれば、↓の1日目からお読みください)

心配なお天気はガスがかかって肌寒いものの、雨は降っておらず。8時には岩場に向かう。今日は三つ峠で一番有名な中央カンテを登る。取り付きには既に3人パーティーがいたが、彼らはアブミ練習で別のルートに行くようなので、我々が先行することになる。


中央カンテ3P (Ⅲ、Ⅳ+、Ⅳ 60m★★★)

昨日と同じオーダーで出発。寒いので上着を着て登り始めたが正解だった。最初のピッチは、これは安全に登れるレベルで、朝一にはとても嬉しい。2ピッチ目からが、どうもこれから先がいまひとつ記憶がはっきりしないが(次のルートとごっちゃになってしまって・・・)、再び苦手のクラックが出てきたが、ここは右のクラックをあまり使わないで、左に乗り移るスタンスの箇所に移動したと思う。その1歩がちょっといやらしかったが、他はそれほどでもなかったような? 最終の3ピッチ目までは比較的無難に登れたと思う。

懸垂で、右のV字ロックを懸垂する。本当にこういう長い懸垂はたぶん3年ぶりぐらい?途中で空中懸垂になる箇所があるので、安環を2枚入れた形で行ったので、非常に制動がよく効いて安心して降りられた。手順なども生徒同士でよく確認し合って、ちょっと焦ってしまう部分もあったが、よくよく勉強になりました。50mロープ一杯で降りたので、連続懸垂となり、先生のそのやり方なども見学。ロープ投げること1つとっても、うまく真っ直ぐ投げられなかったり、とほほでした。。。 最後の10mほどの懸垂は安環は1枚。それぞれ制動の効きが違うことを実感。


2時間ちょっとで降りてこれたので、右フェースの岩場のハングの下で、落石を避けるように休憩しながら少しおやつなどを食べる。そこに、なんと<コールなし、いきなりロープが投げられてきて、石もパラパラ落下> 私の付近にも小石が落下!!女性と男性の2名パーティーで、さすがに向こうも恐縮して詫びが入りましたが・・・ やれやれ、なかなか恐い所です。岩場のコールは他人に聞こえるように行ってくださいませ。


草溝ルートⅣ25m★★ ~第一クラックⅣ+15m★ ~第3バンド~無名クラックⅣ?~第20番クラックⅢ+15m

昨日登ったルートのそばの草溝ルートを登る。今度は上の天狗の踊り場まで抜けるので、ザックを背負って登ることになる。最初に先生から、「上に行き過ぎるとトラバースで動きがとれなくなるので、くれぐれもロープの位置が目の高さぐらいまでで下のスタンスを拾うように」と言われていたにも関わらず、しっかりルートミス(汗・・・) 「上がり過ぎだよ~」ってYさんから注意されて、こわごわと50センチほど下降。なるほど、これがスタンスね・・・・。斜上するルートはヌンチャクを振り止めとして残すので、一旦カラビナを外してまたつけるので、なかなかぎりぎり一杯で登っていると辛いわ~~。クラックの部分に到着するが、右のフェースの方が登りやすそうなので、そちらで登る。上の樹のところのビレイポイントまで登って一休み。MZ氏&Mさんを待つ。


次の第一クラックまで少し左に移動。これまた苦手のクラックで、記憶が喪失~~。やっとの思いで第3バンドの安全地帯に到着。上着を着てきて正解というほど、この日は後続を待っていると寒かった。全員揃ったので、次は権兵衛チムニーを先生はやろうとしたけど、先行パーティーがいたので手前のルートを選択することにした。


先生が先に取り付きまで移動。OKが出たので、まずは私ら赤ロープ組がバンドを歩いて行き(約20m弱位?の距離)、ビレイ地点でセルフビレイ。青ロープ組が来るのを見ていると、なんと先頭のMさんがバンドの30センチほどの道から左足を踏み外して膝ぐらいまで落ちた!!! テンションまでかからずに止まったけど、見ていた一堂が冷や汗。通常このバンドの移動には、ロープで確保しないで移動している人のほうが多いんでは?という感じの場所なのですが。私らはガイド講習なので、万全を期して必ずビレイして移動しておりました。落ちた後は本人は動揺しているでしょうから、「ゆっくり歩いてきてください。」と何度も大きな声で励まし。「このまま落ちれば、60m下の登山道のある所を通過して、200m下の沢まで滑落ですよ。三つ峠では以前そういう事故例はあるのですよ。」と先生は後で皆に教示。彼女は私の赤ロープ組が常に先行しているので、待たせてはいけないと思って、下をよく見て歩いていなかったのでしょうね・・・・。事故は本当に危ない所で起きるというよりも、ややほっとした状態で発生することが多いという教訓が見に沁みました。


さて、本日最終の天狗の踊り場(岩場の一番上)の登り。先生はさくさく足ジャムを5,6歩決めて登っていきました。足で立ったクライミングで、本当にいとも簡単そうにやっているように見えます。一応難しい所の右側にお助け紐をセットしてもらいました。自分も真似して足をジャミングさせて・・・・・足ジャムは超痛~~い!! 涙ものです要領はYさんが後ろから色々と教えてくれるのですが・・・・・。なんとか3歩は決まりました!でも、左足の親指が骨折してしまったのではないか!というほど痛いのです。あと2歩ぐらい上がれれば右フェースに移れそうです・・・。4名で登っていて最初の自分なので、あまりに粘るのも困ったちゃんなので(他の人が待ちくたびれてしまう・・・・)、3回ぐらいトライしてここでまた大変ありがたくもお助け紐を使って右壁に登ってヤレヤレ。上から見ていると、Yさんは見事なジャミングでクラックをスイスイ登ってきます。やっぱり実力と修練の違いです。自分は確かここの上で、初めて足を開いたステミングを使ってみたのですが、なかなか決まって少々嬉しかったです。でも、次の所に体重移動するのちと難しかったです。ほとんど最後の5mがこれまた微妙に難しい。なんとかボテボテになりながらも、ようやく上に到着。


天狗の踊り場は今日はガスが出ていて富士山は全く望めず。昼食も摂って、防風のための雨具も着て待ってますが、うーん30分位は後続を待ったでしょうか・・・。Mさんは下のお助け紐では足りずに、さらにスリングを付け足して登ってきたという。(しめしめ、今度はその手で自分も使うことができるようにビレイループにセットしておこう♪と言ったら、「あんまり、そんな方法ばかりで登らないでくださいね」と先生から釘を指されてしまいました。(苦笑)やっぱ、これぐらいのクラスは上から確保もされているのだから、スマートに自力で登れるぐらいにならないとなあボリボリ・・・。


◆紅葉おろし5.8 30m★★

天狗の踊り場からは、紅葉おろしのルートはほんの5m位回りこんだ場所にある。上でビレイする形なので、そこまでは行ったり来たりできるように固定ロープを張ってくれた。そこにディージーチェーンでセルフを取って移動する。私はいったん雨具を脱いだが、あまりに寒いので雨具を取りに帰った。

ここでは上の15mぐらいだけをトライすることになる。先生がどこまで降りたらよいかを先に降りてチョークで印をつけてきてくれた。我々生徒は上から半マストを使っての確保の練習を行った。MZ氏、Yさんが先にトライ。私はYさんの確保を練習。初めてやるのでぎこちない。ATCを使った折り返し式のほうがやりやすそうだが、確保器具を落とした場合などもあるだろうから、色んなやり方をマスターしておくべきだろう。


ロープで降ろしてもらうが、どこまで降りていいのかで、とっても不安になってしまった・・・ガスが大分出てきたこともあり、上の声も遠いし。ボルト沿いに降りる・・・というが、ボルトが風化していて岩と一体化したみたいな色で発見しずらかった。左の方にあるチョークで印を付けた石をようやく発見。バンドはここは微かにあるような、ないような?10センチ位の草つきなので、ここがそうかと言われないと分からない。とにかく、ストップの声をやや早目に出して、いざ登り返し。感じは昨日の大根おろしと似ていたが、自分にとっては今日の方が登りにくく感じた。幾つも大きなホールドがあちこちあったので、どのルートを登るのか?やっと左のラインでハーケンは見えたけど、これでいいのかなあ?それでも、さくさくと途中までは登ったが、最後のラスト2mで行き詰った。股関節が堅くて、大変苦手の膝の向きがあるので、それにはまってしまったようだ。恐る恐る体重移動を行って、最後の所だけで大分時間を費やしたが、なんとかテンションかけずに膝の向きを入れ替えて登り切った。


最後のMさんは、先ほどのショックもあってか?「上の5mだけでもやりませんか?」と先生が勧めたが、ちょっとお疲れで断念。ガスも酷くなってきたので終了。三つ峠の山頂まではさすがにハイキング的な道なのでロープはつけないが、途中一箇所岩が滑りやすくなっている。私はひょいっと行けたけど、Mさんは足をもともと痛めているせいもあって、先生がフォロー。なかなかメンバー全員の安全を確保するのは大変なことだと痛感。


ちょうど3時頃に小屋に戻って、それから一休みしてから下山。なんとか二日間とも雨に降られずに、かなり涼しい状況でマルチの練習ができて、大変楽しかった。まだまだ覚えなくてはならない技術や仕組み、知識などは一杯あるけど、机上講習会や本などで学んだことが少しずつ理解できてきつつあるので、身に付くようになりたい。


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写真は前日に小屋から撮った屏風岩。中央や右裏あたりのルートを登りました。

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コメント

MINMINさん着々と技術を磨いてますね~。
マルチはやっぱり楽しいですよね。足元にあった風景がどんどん小さくなって自分が空間の中にいるような感じが好きです。


私自身はクライミングは練習してますが、あくまで登山の補助としてです。
ですがMINMINさんのレポ拝見して来年は1週間くらいクライミングだけの遠征に行きたくなりましたよ。

投稿: ゆき | 2006/08/03 04:57

ゆきさんのレポを拝見していると、ヨーロッパの山は日本でいうところの岩稜帯の歩きやら、雪稜やら、そして本格的な岩場の登攀といろんな要素をいっぺんでこなさなくてはならないので、すごいなあと思います。

日本の場合は、登攀的な要素を学びたかったら、それだけの部分に行かないとできません。完全に分かれているおうような・・・・。

ただ、今の岩のトレーニングをやっていると、ますます日本の岩のトレーニングとヨーロッパ流の岩のトレーニングが随分と違うということを痛感します。つたない経験でいうと、日本の岩場的なトレーニングだけでは、絶対にヨーロッパの山には通用しない・・・・ますます、去年マッターホルンを登ったときに感じた色々なことを改めて思い返しても、思うところがあります。

投稿: MINMIN | 2006/08/04 00:51

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