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2006/07/09

「山は真剣勝負」山田哲哉著

この本は、雑誌「岳人」に連載されていたエッセイを加筆出版したものだ。「岳人」は買うときと立ち読みで済ませるときがあるので、連載中から読んでいるものも多いが、今回は購入することにした。せめて、ガイドをお願いしない代わりにかつての御礼として・・・・


というのは、山田氏は96年からガイド協会に加盟したというが、自分は95年のGWで小一時間ほど縁あって一緒に行動を供にしたことがあるからだ。現在は「岳人」「山と渓谷」の雑誌をはじめとして、多くの生徒さんを抱えて最も盛況なガイドの1人だと思うが、そのときはお客さんを一人だけ連れて歩いていた。その後、何度もお誘いのガイドプランが送られてきたが、自分はその頃から山どころの感じでなく、仕事などで一杯一杯。代わりに、知人の女性に山田さんはいい人ですよ・・・・と話をしたら、その後彼女は山田さんの常連さんになって、なんだかんだと、極めて人間的な側面まで教えてもらっているので、なんともいえない部分もあるのです。常連の彼女は一杯本に写真も掲載されていることだし、本としては良い本だと思うので買った次第です。


前置きはこの辺にして、この本は<僕自身はオーソドックスと信じているが、時代の主流から大きく外れてしまった>と書いてあるように、極めてオーソドックスな登山論である。自分的にも大変近いものを感じる部分が多く、それが70%ぐらいと思うと、やっぱ違うよね・・・・と思う部分も30%ぐらいある。辛口の登山論というが、例えば「歩けなくっちゃ、話にならないんだよ!」なんていうのは、まさにその通りと思う。


しかし、話の根底には山岳会出身者らしい発想がかなり強くて、多くの山岳会が衰退してきている現代の事情や中高年登山が多くなっている現状では、確かに主流の考え方とはなりえない部分も多い。山田氏は公務員時代から年間100日を越す山行日数をこなしてきたというが、世の中のビジネスマンでそんなにできる人は多くない。人によっては海外出張をこなしながら時差とも闘いながら仕事している人や、携帯電話で仕事に年から年中おいかけられるようにして仕事している人も多い。IT時代で、世の中の動き時代が極めてスピード感ある仕事が求められているので、神経が磨り減るよう感覚も多い。家庭人にあっては、その役割を果たす必要もあるから、全てが山に情熱を注げる人ばかりや、時間ばかりではない。


どうも、毎週山にテント張って、夜は焚き火を囲んで・・・・みたいなノリは重過ぎる感じがする。学生時代や若くて独身のうちなら楽しい形態の山も、今や主力はもっと上の世代が多いので、もっと個人志向的なものもあって良いと思う。トレイルランニングやら、ワンデイ速攻登山のような山スキー界の早川先生などは、激務の開業医と趣味を両立しているようなタイプの山行パターンがあっても良いだろう。それに、山田氏は山小屋不要論みたいな感じの人だが、ヨーロッパアルプスでは山小屋利用は当たり前。そもそも氷河が多く、山でのテント利用を認めていない国だっである。泥臭い山を好んでいる山田氏なので、そういう感覚は認めがたいであろうが、実際にヨーロッパ登山をされていないこともあって、いつまでも極地法みたいな感覚ばかりでなくても良いと思う。


かつては、登山は貧乏な学生がやるのがメインだったので、山小屋なんて・・・・と思う部分も多いだろうし、自分自身もそんな感覚に長く支配されていた。実際は社会人で収入がある分を小屋を使って荷物が軽くなった分を、行動時間を長く取ることで2倍山を楽し無という事だってあるので、そんなのは山旅だというけど、そういう無理のない楽しみ方でもいいのでは?と思う。


なんとなくフリークライミングとアイスクライミングが槍玉に上がっている気がするけど、ほとんど激減している若者の登山人口をせめて最低限確保する意味でも、役割は重要かと思う。わずかでもフリーをやっている人の1000名に1名でも外の岩やアルパインに興味を持つ人がでるかもしれないから、そんなに目の仇にするのもどうかと思う。


聞くところによると、山田氏はパソコン嫌いで、いまだにワープロで文章を打っているというアナログ派。携帯のメールはできるけど、PCのメールはできないという。登山教室の生徒さんは連絡取るの面倒だろうなあ・・・と他人事ながら思う。ちょっと人間的には年齢の割には古い感覚が多いかも。山スキーなんていうのも、山屋はスキーなんぞちゃらちゃらやっては・・・・という感覚らしいから、山スキー使えば快適にラッセルできるのにな・・・と思うものの、やっぱり受け入れがたいらしい・・・・。


まあ、ともあれ、ごちゃごちゃ書いたけど、メインとなる登山の本質に関しては、大いに共感する部分がある本なので、私的にはお勧めの一冊だと思う。山を大切に登りたい人には必読の書だと思う。

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コメント

立て続けのコメントで失礼。

わたしが学生の頃、山で出会う中年男性は、単独の人が多かったりして、出会っても『あ・・』『こ・・』くらいの挨拶で、結構【えぐい】感じの人がいたような気もします・・おとこの孤独感があるといいますか。

ガイドの人と歩いたことはないのだけれど、その人を中心に生徒さんが集るという雰囲気というのは、どうも想像がつかない。

それにしても、ちょっと気になる本ですね。(山を大切に登りたいけど、半端な人間なので、グサグサきそう・・)

投稿: ぴとこ | 2006/07/10 10:24

この本は読んでないですが、はーい、諸手を挙げてMINMINさんに賛成! どんな形でも受け入れてくれるのが山の良さかな。
ツアー登山しか知らない人は、計画を立てるという楽しみの半分を捨てていてもったいないと思いますが、全面否定も出来ないし。

私は田部重治の「山と渓谷」を読み返しています。

投稿: REI | 2006/07/10 17:51

☆ぴとこさん
全体の本の紹介をした訳では全くなくて、ごく一部の自分の気になる点だけを書いたので、うまく趣旨が伝わらなくてすいません。

本の中身は登山論なので、山田氏はガイドをやっているけど、そのことを論じているのではなくて、現在の日本の登山の風潮みたいなことを書いてます。もちろん、ガイド登山やツアー登山のことかいてます。山田氏は、ツアー登山と呼ばれるのは大嫌い、一緒に行く人は<パーティーを組む>という概念でいたいと書いてあります。知人の女性もそういう感じでとても楽しい、有料だけど、クラブみたいな厳しさの感じが好きだったみたいです。

中年の男性・・・私も若い頃はそういうイメージがあったけど、いまや、そこら中高年の孤独な?ニヒルな? 男性が多く歩いてますね。

たぶん本のイメージしている山屋は、一歩上のレベルである程度ハードな山行を想定しているので、かなりぐさぐさくると思います(苦笑)


☆REIさん
特にREIさんにはこの本はお勧めだと思いますよ。基本に忠実だし、考える登山とか、主体性を持った登山者が山田氏は好きだし、そうあるべきだというのが根本の部分だと思います。

自分があえて書いた部分は、少し山田氏と見解が違うという部分なので、書いていない圧倒的大部分が本当によく書いてくれました!!って部分が多いです。

田部重治、私はまだこの名著を未読です。やっぱ、これ読むならば、正統派としては、東沢の釜の沢ぐらいの遡行はしとかないとなあ・・・・。

投稿: MINMIN | 2006/07/10 20:45

MINMINさんこんちはっす。水着のとこだけヤケにコメントが多いな〜〜ハイエナ君がいっぱいいるんですかね〜〜(^_^)
わたしゃ海パンのかわりに例のユニクロ上下をセットアップしようと企んでいます。以外と泳ぎやすそうな感じですが、風呂には不向きですね。窮屈過ぎるよな〜でもあのタイトフィットが・・・(またまた疑われそうな発言ですね)

山は真剣勝負・・・・については、昔風の山ヤさんと僕のようなあんまり本格的に山から入っていないニセ山ヤはおそらく嫌われるんだろうね〜〜山岳会向きではない性格ゆえ、山中でどっぷりテン泊+たき火+山ヤは酒が飲めなくっちゃ〜〜のノリにはとてもついてゆけません。少なくともそんなにのんびり解放感に浸るほど生活に余裕がないのでやっぱワンデイで気楽に・・・が基本スタイルですね。某山岳会での夏合宿うんぬんはありますが、僕は良く考えたら夏休みは無いんですよね・・・盆休みがなんとか2日間です・・・合宿どころではないです。でも目指すは奧穂西穂ワンデイ・富士山アンダーゼロ⇄3776mワンデイ(太平洋岸の田子ノ浦の水中からスタートということです・・・これで日本最大の標高差3777mになりますね)・・・と夢は大きいです。

アホです我ながら・・・・

投稿: じゅん | 2006/07/10 23:40

軟弱派としては実行無しで田部さんに挑んでおります。
昔の登山はある面、今のトレイルランニングと近い物があります。
田部さんの場合は文学的雰囲気が好きなのですが。
山岳会苦手の私ですが、山田さんの本を探してみます。ありがとうございます。

じゅんさん、(初めまして?)、私も夏休みがありません。
山岳会のノリも体質的に蕁麻疹がおきそうです。
自分では無理ですが、じゅんさんの”夢”応援します。
日本海から剣なんてのもありますね。

投稿: REI | 2006/07/11 11:37

☆じゅんさん
水着のコメントは、ほとんど女性陣のアドバイスが主で、嬉しい諸先輩方の話で楽しめました。若い頃は痩せすぎでビキニが似合わない体型で、今度は少々お肉が・・・・・で、ちょうどいい塩梅の体型というのに収まんないもんですかねえ・・・。

昔風の山ヤさんというと、実は自分も精神的な部分では古いもんを持っていたりします(苦笑)装備も、全部若い時の物から、ほぼ全部一通り買いなおしたところです。

>山中でどっぷりテン泊+たき火+山ヤは酒が飲めなくっちゃ〜〜のノリには

こういうのも、ごくたまには自分は良いなと思っておりますが、なんせ下戸なんで、酒のために荷物が重くなるのは勘弁です。やっぱ、本物の山屋は酒飲みでないとさまにならないのかなあ・・・・。

確かに休暇がないと山には登れないので、色々な社会的な立場の方がいるから、なんともいえませんが、それぞれ自分の立場で精一杯山を楽しみたいものですね。

奥穂、西穂のワンデイ、富士山のワンデイを是非、夢の達成を実現してください。

☆REI
田部さんの本、私も現在よまなくてはならない本が一杯あるけど、いずれはやっぱ読んでみたいです。トレイルランニングの要素・・・これは是非どういう趣旨か確認したいものです。

山岳会体質・・・・・蕁麻疹とは強烈ですね。自分が学生時代に入っていたクラブはソフトな感じの会だったので、自由な感じでよかったです。少なくともあまり厳しい山に行っていないクラブのせいもあるけど・・・・・。

若い時に学んだことはインパクトが強いので、なんだかんだといいつつも、この本の中でオーソドックスな登山の考え方は若い頃に感じていたことでもあるので、共鳴したり、うなずく部分が多いのも事実です。

日本海から剣・・・・それはまた素敵な提案ですね。太平洋側に住んでいるせいもあるけど、山から眺める日本海にロマンを感じてしまいます!

投稿: MINMIN | 2006/07/13 23:34

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