集団登山を見て
久しぶりにテント背負っての夏山に北アルプスに行ってきた。自分は随分以前から夏山は暑いのでどうも雪のある季節の方がモチベーションが高い。夏山の人の多い季節と場所を微妙に外していることが多い。学生時代(大昔だが 苦笑)に加入していた山のサークルも、クラブの方針でメインの夏山は南アルプスとか飯豊や朝日の縦走、北海道などで、北アルプスはお盆過ぎた辺りから9月上旬ぐらいのややマイナーな時期に行っていた。
そんな自分だが、今回はお盆も過ぎての8月20日(日)出発にて微妙に外したつもりで出発した。
(メインの山レポはいずれ書きます)
初日は扇沢から超メジャールートの柏原新道から種池小屋へ。ちょうど昼前で、日曜日の下山のラッシュ時あたりになっていた。登って行くのに、いやいや大量の人並みが次から次へと・・・・。この道は6年前位に春山に爺ヶ岳南尾根に登る時に取り付きまで約1時間弱を上下したのと、十数年前に鹿島槍方面から下山した時に使った2度のみ。いずれも静かな時期だったので、今はここがメジャーな登山道だと覚悟はしていたものの、凄いんですね!
団体さんは20名、30名当たり前。中高年登山のグループの5~6名ぐらいは可愛いものである。どうも団体には前後に比較的若いガイドさんがついているようだけど、うーん、山歴ウン年という自分から見ると、アマチュアにしか見えない感じ・・・・・。 体力抜群ならそれでもいいんだろうけど? 自分が常日頃から接しているような本物のプロのガイドさんから見ると、やっぱ、違うわ~~~。登山添乗員という言葉があるけど、そんな感じかなあ・・・・。
参加している人達も和気あいあいやっているのはいいけど、登山道の真ん中でぺちゃくちゃぺちゃくちゃ。それに、自分がタバコ吸わないせいもあるけど、男性陣はタバコすぱすぱが目立つ。ちゃんと携帯タバコ入れを使っているように見えないところが不愉快なところだ。(持っているのかもしれないけど、人が通過する時にはタバコ吹かすのは気をつけて欲しいものだ) 正直、ご一緒したくないようなちょっと下品な感じの人なども居たりして。。。。やっぱご遠慮したいものだ。なんか出来合いのパーティーともいえない、やっぱりツアー登山って感じ。それも人数がもう少し少なければ統制もとれそうだが・・・・。
よく春山などでも山スキーではツアーを見かけるけど、もっと人数が少なかったり、やっぱり雪山を相手にしているので参加者も真剣味が違うというのか。ガイドさんのコントロールが効いている気がするが。(はたから見ているだけですけど・・・・)
さて、種池から針の木岳まではツアー皆無で、人がそもそもあまり歩いていないので快適。
帰りに使った針の木雪渓も時間がずれていたせいもあり、火曜日で集団登山には遭遇せず。
ただ、今回針ノ木雪渓を下山に使ったが、ここは今年の夏、既にツアー登山客の1名が落石によって死亡事故が発生したところ。
19名のツアー登山だったそうで、その時のツアーがどういうものかよくわからないが、でも集団登山を見るに
やっぱり普通の人数でパーティーを組んで行く方がリスクが少ないと実感した。
なんというのか、皆で渡れば恐くないというのか、危ない場所なのにおしゃべりに夢中だったり、漠然と登っていたり、リスク管理をツアーという形で皆放棄してしまっているのいうのか、もちろん中には自分でもちゃんと考えながら登っている人もいるかもしれないけど、でもツアー客の多くがあまり考えもせずに登っていたら、当然、落石などが起こったときにとっさに逃げるとか対応するとかっていうことも、危険の相対性の中では高くなってしまうような気がする。
最後に一般人の感覚はどんな感じかというと。
自分の場合、下山すると一応親に電話で報告をするんだけど、針の雪渓を一人で降りたというと、「ちゃんと人はたくさんいたか?ルートは心配なかったか?」とか言うのだ。うちの父親は少しだけ私と一緒に山登りをかつてしていたし、山には興味はあるのだが<人が多い=安全>と思う人なのだ。雪渓は人が多いと落石の危険も増すのでむしろ好ましくないということがわかっていない。それで先日の死亡事故のことを説明してようやく少し分かったような?感じだが、どうだか・・・・。 幾つになっても、自分は親にとっては高校生の時にバテバテで雲取山に登った時の自分からそう大きく変わっていないので、参ったもんだ~~~。(苦笑)
でも、一般人の感覚ってこんな感じで、<人が多い=安全=ツアー登山はみんなで登るから安心だ>って思ってしまう人が多いんでしょうね。そんなに多い人数で登って何が楽しいのかって思うけど、一人で登るよりは安全と思う人が多いことも事実だろうから、そんな需要と供給のために、ツアー登山は当分盛況なんでしょう。個人主義的な要素が強くなってくる世代(40代以下ぐらいか?)からは、あんまり流行らない気もするけど、いかがなものでしょうか?
| 固定リンク
「登山」カテゴリの記事
- 足を試しながらの久しぶりの雲取山(2016.08.17)
- 雁ヶ腹摺山に行ってきました。(2013.12.16)
- 鶴ケ鳥屋山(2013.12.08)
- 岩殿山(2013.12.08)
- 久しぶりに山に出没。(2013.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
私は山登り超初心者なので、どちらかというと
「一人よりは多めにいて欲しい」と思ってました。
でも、大勢であることのリスクっていうのもあるのですね。
雪渓の落石、勉強になりました。
未熟者(笑)なので充分なリスク管理は難しいと思いますが、
せめて他の方に迷惑をかけることだけは避けたいです。
投稿: N家知三朗 | 2006/08/24 18:31
私もMINMINさんと同じでツアー登山はイヤだなぁ~やっぱり何でもお任せでは自分で計画して登る楽しさもないし、あのお喋りも苦手。登るのには良く言うタクシーに乗れる人数の5人位が丁度いいと思う。
投稿: mogu | 2006/08/24 20:49
★知三朗さん
雪渓の落石はかなり大量にあるので、不用意に誰か触って止まっている石が動き出すのがすごく恐いです。漠然と歩いているというよりも、雪の上を転がる落石は音がしないので、常にきょろきょろするぐらいの気持ちは必要かと思います。
だから、よくあるツアー客のおしゃべりなんか、言語道断って感じかな?
★moguさん
自分で計画して登るのって、やっぱ楽しいですね。でも、moguさんは山岳会にも入っているし、沢の教室にも入っているし、そのあたりはどういう風にしているのかな?って思ってました。
投稿: MINMIN | 2006/08/24 22:58
自分達のペースに合わせて計画して登るお気楽登山に勝る?
ものはありません。だってガイドブックで3泊の縦走に
5泊もかけて歩くんですから。正直、ツアーのペースには
ついていかれません。女性だけなので男性に気を使ったり
甘えたりしないのも緊張感があっていいかも。
何度か山中の小屋でツアーの単独参加の女性から「自分達で企画できていいですね。
それが出来なくてツアーで行くしかないんです。」と嘆かれました。
丁度同じレベルのお気楽登山仲間に恵まれていることに
感謝です。
投稿: にしはは | 2006/08/25 17:51
計画を立てるのが楽しみの半分なので、もったいないなあって思います。 ただ私は機会が無かったので一人で始めてしまい、結局それが性に合い、それが一番安全だと思っていますが、ある一定の年になると一人で歩く自信は無くなるかもしれません。 最近はツアー登山も仕方ないのかなあと思う面もあります。 せめて自分の登る山位覚えていて欲しいし、実力を過信しないで欲しいとは思いますが。
ツアー会社もきちんとしたガイドと添乗員の違いを、もう少しはっきりさせてくれないですかねえ。
私程度の素人を先生と呼ばせてる会社もありますものねえ。
投稿: REI | 2006/08/25 19:33
★にしははさん
自分のペースで登る・・・というと自分もそんな感じでお気楽登山のために単独でやっている部分強いですね。
>女性だけなので男性に気を使ったり、甘えたりしないのも緊張感があっていいかも。
全く同感! 結構男性に気は遣いますよね。難しい所に行くほど、体力屈強な男性陣が多いので参っちゃいます。私も確かに男性と行くと甘える部分は一応あるので。。。。(笑)そっちの方が可愛げがあるかも?しれませんが、せめて趣味の世界位は自分が主体的でありたいと思います。
>ツアーの単独参加の女性から「自分達で企画できていいですね。それが出来なくてツアーで行くしかないんです。」と嘆かれました。
なるほど、そういうことなのですか。。。 でも、そういう人でもできる所からやっててみればできるようになると思うけどね。最初からある程度カッコいい山である日本百名山みたいな所を狙わないで、里山ハイクとか低山歩きから始めてみれば、いつか行けるんだけど。。。
投稿: MINMIN | 2006/08/25 21:57
★REIさん
>ある一定の年になると一人で歩く自信は無くなるかもしれません。 最近はツアー登山も仕方ないのかなあと思う面もあります。
私も加齢ということを考えると、ある程度わかる気がします。でもますまる大人数のツアーでなく、5,6人ぐらいのパーティーで登りたいとは思いますが。
>せめて自分の登る山位覚えていて欲しいし、
ホント、人に連れられて登っている人では山の名前を覚えない人が多いのですね。山に求めているものが違うのでしょうね。ある人は宴会登山や接待登山だったり・・・・。スポーツでない形で登っている単なるレジャーってことなのかな?
>ツアー会社もきちんとしたガイドと添乗員の違いを
そうですね、山岳専門の会社だと一応ガイドさんらしい感じのようですが、安い普通の旅行会社だと安い賃金で雇うので、やっぱり<安かろう、悪かろう>でしょうね。
>私程度の素人を先生と呼ばせてる会社もありますものねえ
ええっ~!! すっごい! REI先生なのですね。
でも、REIさんはたぶん一人でこつこつやってきたから、きっと普通の人とは違うって思ってますよ。(確信!)
投稿: MINMIN | 2006/08/25 22:05
わはは、違いますよ。 ○畿ツーリストのツアーとか新聞社系の旅行社のツアーとか何回か参加した事があるのです。
○ツリでは添乗員の他に「講師」ってのがいるんですよ。
この人達は自称経験者の素人。 質もピンキリです。 当然良い人もいますし、私程度のもいます。 皆「先生」です。
くっついて行くだけの「お客様」には違いが判りません。
知識も経験も危機管理も???の人達が、「皆で行けば怖くない」という団体を連れ歩いているのですから、事故が無いのは奇跡です。
投稿: REI | 2006/08/26 18:18
なんと!今日種池山荘から下りてきたところです。
下りてくるとき、すごい数の人々にすれちがいました・・・
ここってこんなメジャーなところだったんだな、とはじめて知りました。
皆鹿島槍目当てなんでしょうね?
投稿: オーロラ | 2006/08/26 20:28
★REIさん
ええっ~「講師」というと、何かテーマを持った人がなるのだと思うけど。例えば写真を撮るのが上手い人とか、植物が詳しい人だとか、山の歴史に詳しいとか・・・
REIさんもそういうテーマを持った方なのですね。尊敬しちゃいます。
でも、○ツーといったら旅行大手ですよね。某新聞社も大きい会社だし。自分は山岳専門のアトラスとかアルパインツアーの人だと、結構みな本当のガイドさんって感じなので、随分違うのですね。
★オーロラさん
お帰りなさ~い。
随分昔もメジャーだったけど、今ほどではなかったです。今は中高年登山で<膝に優しい緩やかな登山道>ということで、ダントツの人気を誇っているようですよ。以前なら赤岩尾根で上下する人が多い分が、ここに最近は集中しているようです。
それとやっぱり百名山狙いの鹿島槍人気でしょうね。
キレット越えて鹿島槍を狙える人間が減少していることもあるかもね。
投稿: MINMIN | 2006/08/27 15:57
日月で八ヶ岳に行きましたが、小屋は3人で貸切、
団体様にも全然会わず、たまに小学生連れのファミリーか
単独の男性に会ったきりです。静かな静かな山でした。
まだ8月なのにね。
投稿: にしはは | 2006/08/30 00:12
にしははさま
静かな八ヶ岳を堪能されたようで、羨ましい限りです。
今週は山ほど仕事三昧?(苦笑)
小屋もご自分達だけの貸切とは・・・。秋になれば、また少しにぎわうのかなあ?
投稿: MINMIN | 2006/08/30 23:04