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2009/08/16

「ドキュメント 山の突然死」 柏澄子著

図書館で以前から気になっていた著書があったので、さっそく借りて読んでみた。題名から読んでもわかるように、山での突然死を5つの方の例をメインに取り上げて検証したものだ。 本の概要などはAMAZONのこちらのサイトなどご参照。

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この本を読んで思うことは、まさに<メタボ=突然死のリスクがアップ>ということだ。具体的には

既に多くのメタボ関連の情報でも明らかなように、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、くも膜下出血、高脂血症、不整脈、糖尿病などなど・・・・・これらの病気が山の突然死には関係するということだ。

というよりも、山以外でも街でも全く同じことですね。ただ、脳梗塞などは近年の目覚しい医学の発展により6時間以内ならば救える命、また軽症でリハビリで日常生活復帰できることも多いという。ところが、高山では救出には時間がかかるので、同じようにはならない。

山でも割とメタボ体型な方もお見受けするし、若い時には健脚を誇る方も年齢と社会的多忙さにより年齢と共に体力低下されているケースもお見受けする。本著などでもこのようなケースの言及がなされている。街では救急車を呼べても山では無理なので、他人への迷惑なども含めてみると事前に体調を整えて山に向かう必要性を強く感じる。自分の体力を冷静に判断して、あまり無理をしないことも大切だろう。

この著書で一番興味を持っていたのは、世界最高峰のチョモランマで2004年にアドベンチャーガイズ社がガイドした、公募登山隊での事例だ。当時63歳の大田祥子さんが急死したケースである。私も真っ先にこの項目を読ませて頂いた。当時から死因が定かではなかった。亡くなられた女性は開業医の奥様で、ご自身も医師であり、妻であり、母であり・・・・と大変多忙でかつ、健康管理には常に気を使っていたという。登山前のあらゆる体内の数値や脳画像などからも問題はなかった。それでも急死してしまうのが厳しいデスゾーンでの世界だ。死亡されたごくごく僅かな1分程度の中で、こういう中で死亡されてしまうとは、まさに突然死の極みだと思った。

アドベンチャーガイズ社のブログを定期的に拝見していたので、死亡された前後も私はほぼリアルタイムで見ていたけど、よく死因がわからなかった。ご遺族の意向などもあるので微妙な部分もあっただろう。だけど、この本を読むとやはり、限界を超えた高さでは何が起こっても不思議ではないと強く実感した。<死因というのはあとからついてくるようなものだから・・・・・・>というのも私のごく個人的な感想でもあります。全ての死因は解明できるほど人の命というのは単純ではなく、神様の采配でしかわらからないものなのかなとも思っております。

また、亡くなられた大田さんの生前のトレーニングぶりなども、改めてびっくり。大阪国際女子マラソンの参加資格って、3時間15分以内だって!!!それをクリアして2回も出場されているとは、とてつもなく俊足のランナーだったんですね。びっくりでした。

また、この本の中では私が以前海外登山ツアーでご一緒した医師の方が随所に医学的見解をコメントしていることも興味を惹かれます。その後も、時折ご活躍を耳にしてますが、今も山も医学もがんばっている様子が嬉しかったです。

なかなか硬い内容の本ですが、私はあっという間に恐らく2~3時間程度で読み上げてしまいましたので読みやすいです。興味のある方は是非どうぞ。

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コメント

チョモランマの事例、私もまっさきに読みました。
この事例、一般的でないから載せなくてもよかったんじゃ、みたいな感想をwebで見ましたが、
私は興味ありました。
別に高所登山しないけど、気になりますよね。

って、3h15?! す、すごい方だったんですね。
今マラソンに関心あるからそのすごさがわかるけど…

私、チョモランマ行けないかも。
って、別に行きたくないけど(笑

投稿: てる | 2009/08/16 21:06

★てるさん
私もジョギングを始める前だったら、3時間15分って書いてあっても、ふーーーんで終わっていたと思いますが、改めて本当に真剣に体を鍛えていたんだなと感動しました。ランニングから登山に意向してからは、階段上りとか山登りに必要なトレにシフトさせていたようで、なるほどなと思いました。もちろん、山登りは心肺機能だけで登るものではないけど、ないよりは、あった方がいいですものね。

でも、これだけがんばっても、山では突然死が生じるという意味では超高所の怖さを感じました。

投稿: MINMIN | 2009/08/16 23:45

MINMINさん、おはようさんです♪
なかなか面白い内容ですね。私も一度
詠みたいです。
ところで、フル3時間15分以内とは
すごいですね。私のベストタイムは
3時間29分です。(今なら4時間オーバー)
ただの女性ではなかったんですね。
歯が悪いので、ヒマラヤは遠慮しておきます。

投稿: YAMADA | 2009/08/18 06:20

★YAMADAさん
なかなか良い本なので、お勧めです。
YAMADAさんは最近は短い距離の大会しか出ていないけど、やっぱりフルマラソンに出場されていたのですね。3時間半を切るとはさすがですね! 雲の上の人が多いなあ・・・・・
少しでもランをしていれば、なくなられた方の凄さがわかりますね。

そうそう、高所は自分の弱点にきますから、私も歯をちゃんと治さないと高所は登れませんね。

投稿: MINMIN | 2009/08/18 20:01

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