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2011/06/14

第31回日本登山医学会の学術集会 備忘録 (1日目)

この週末は1日半、日本登山医学会の集会に参加してきた。お医者さんしか参加できないものではなく、一般の人も1日1000円で参加可能。興味のある話題が幾つもあったので、思い切って参加してみることにした。

学会のHPはこちら をご参照。

一杯、いろんな情報を学ぶことができて有意義なものであった。

感想などをまとめたの、とても長いので興味のある方は ↓ からどうぞ♪

まずは初日分のみ完成!shineshineshine

1日目 6/11(土)

■会長あいさつ
・会長の野口いづみさんは以前から山スキーメーリングリストで、日本山岳会の山スキー部門でご活躍の方で、よくメールを流されている。今回の学会のこともMLを流していただけたので、私も参加しようと思ったのでした。ずっと以前から山ボケ猫さんの愛称でHPをやっていらっしゃり、海外の山なども登っているので、私と似た傾向と興味を持っていた。
・どんなご挨拶をするか楽しみにしていたが、当日自分は完全な遅刻coldsweats01 会長さんはどうやら王監督と同じ病気というところから胃癌だったのでしょうか?驚異の回復力であっというまに山スキーに復帰されたとは素晴らしい。最初からお話を伺いたかったなあ。

大城和恵先生の英国で認定山岳医ライセンスを取得してのあれこれ

 ・ロープワークなども本格的で、さすがヨーロッパアルプスだけあって登攀要素のある救助までを念頭に置いての育成なので、大変面白かった。

・日本の山岳医もこのレベルまで育成するのか?それとも、一般縦走レベルのまでなのか?とあれこれ想像した。


登山のためのトレーニング~基礎体力をどうつけるのか~ 

(1) 山本正嘉先生 現代の中高年登山の体力不足の実態と今後の課題
・レベルアップのためには3回同じレベルの山に行ったら、次のステップへ等の積み重ねで体力増強

・「初心者向け」、「一般向け」「健脚向け」の中では、「健脚向け」レベルになると、鍛えていない人では故障やついていけない(場合によっては遭難等危険な状況にさらされる)ことになる。一般向けが4,5時間ハイキングのイメージ。健脚レベルは7~8時間程度以上のイメージ

・ウォーキング、階段昇降、自転車、水泳などは一般には健脚レベルの山では役立たない。ウォーキングは楽過ぎる(せめて坂が一杯あるとかの負荷が相当ないとダメ)、階段は一般には短すぎる(たとえば毎日20階建てのオフィスの人が何度も上り下りとかならば効果あるかもしれないが、一般には駅の階段程度を登るのではダメ。自転車も水泳もやり方にもよるだろうけど、あまり負荷がかからない)

・心臓の負荷が登山では130ー145位になるようにしないとならず、軽い運動をどんなにやっても健脚レベルの山のトレーニングにはならない。

・できれば2週間に1度は山に行って、年40-50日程度の山行日数が理想。

・太もも、ふくらはぎ、腹筋を鍛えよ。目的の山にあったトレーニングをせよ。(一般レベル:10×3スクワット 週3回。健脚レベル:15×5 週3回)
・高地トレーニングは平地でやってもまったく効果ない。せめて高い所でトレーニングするのが良い。
・この先生の話はとてもわかりやすく、山向けでよかった!


(2)山地啓司先生  持久力(スタミナ)のトレーニング
・登山は環境適応力の求められるスポーツ
・長時間スポーツであり、疲労を残さない程度であることが必要。
 8時間休みなく登山するには、LT点(乳酸素)を越さない点が必要。
・精神的スタミナとは危険回避に役立つ。55%を越さないことが大切。
・似たスポーツで練習するのが望ましい。山は山でトレ。
・荷物を背負って傾斜のあるトレーニングが望ましい。サラブレット的なトレよりも馬車馬的なトレ。
・週3-5日が望ましい。


(3)石井直久先生  登山と筋力トレーニング
・ただのウォーキングでは筋力がつかない。
・大腰筋がポイント。インナーマッスル
・スロートレーニングが良い(最大筋力の30~40%程度でゆっくり)
・スクワット、ランジ系が登り降りに役立つ。

・加圧トレーニングは気を付けてやらないと筋肉と傷める可能性が高いので要注意。その点、スロートレーニングはその危険がなくて、体に優しい。


■飯野靖彦先生 登山と水分・塩分摂取の最新の話題
・人間の体は水分が60%。水の排出量とNaの排出量を調整する必要がある。
・腎臓と肺はともに機能が山に関係してくる。腎臓の血流量もっとも多い
・女性の方が水を飲みやすいので、低Na血症になりやすい。
・脱水症状は避けなければならない。山でのショック状態では必ず生理食塩水!(ブドウ糖は逆効果で×)
・スポーツの低Na血症は水の過剰摂取、塩分の排せつ、ホルモンの反応(緊張)
・高山病(AMS)、肺高血圧 →バイアグラ(心臓の悪い人)、EAH低Na血症(腎臓の悪い人)→高山病に隠されているのでは。

・水が高山病予防の決定打ではない。ただし脱水にはなってはいけない。
・低Na血症の方が要注意。
・ウルトラマラソンの完走者では水の管理ができている人が多い。(電解質の水をしっかり取る、尿量、K濃度、体重など)
・運動にあたっては、浸透圧が優先して水分が増える⇒むくむ。その後水分が減ってくる。
・適量の濃度の水を適量飲むことが大切。


■有田秀穂先生 登山とセロトニン 登山は脳を活性化する

・PCや夜型生活が一般的になり、うつ病が急増。

・セロトニン神経を鍛える必要がある。

→座禅の呼吸、ウォーキング、ジョギング、スクワット、自転車、チューインガムをかむ、フラダンス、歌唱など。

・1日30分程度の運動が理想的。都会の中でストレスを抱えて行う運動はアルファー派がでないので効果的でない。また、過酷なトレーニングも×。緩い運動が理想的。

・前頭前野が鍛えられると心の活性化ができる。ストレス発散。山登りはその一つとして大変有効。


■子島潤先生 睡眠時無呼吸症候群と登山

・一杯いびきをかく人は無呼吸状態が起こっている可能性大。きちんと寝ていないので睡眠不足が慢性的に発生している。単なるいびきと思うなかれ。


■大震災でみたこと、できること

・東日本大震災で、最初にインターネットを使っての速攻の医師ならではの情報発信。ネットワークを生かした動き。(「低体温症」の話は私もTVや新聞で目にしておりました)

・ボランティアの先生の被災地での活躍、現場の病院の医師の話、地域医療をどうやって継続していくのか、壊滅的状態から急激な回復、国際医療チームの貢献(外人さんに診てもらうには地元の方は慣れていないので、医療機器や建物などの寄付がありがたかった話など)、全国医療組織と統括行為の難しさ

・地元の医師が「過保護はダメだ」と厳しい意見を言っていたのが印象的。震災特有の部分もあるが、老人医療の問題、いかに病院に通院できるインフラを整えるかの方が大切だと。


■ポスター発表

・ポスター発表って何?って思っていたら、ホールにポスターが30個位のテーマで貼ってあり、自由に見学できる仕組み。解説者がいて解説をしているボードもあれば、全くしていないところもあり。また、主催者の司会者のような方が仕切るように順番に先生のところを巡回していき、発表という形をとる人もいる。30個位のテーマのうち、そのような形で発表していたのは半分以下ぐらいだろうか?

・医師以外の方の登山愛好家の方の発表もあった。山岳会の方が仲間の心拍の数値を図ったものをまとめたものや、道迷いがなぜ起こるのかの分析等もあった。

・自分的な興味では海外ツアーの高所での酸素飽和度(SpO2)の測定値のまとめや心疾患などの山での発症例などが興味が持てた。

・また知人の上小牧憲寛先生の低体温症の話も興味を持って聞くことができた。実際、低体温症の認知度は医師全体にはまだ普遍的には及んでいないということも理解できた。

(2日目は別項目で次回アップ予定)

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コメント

MINMINさん、お久しぶりです。
小生も学会出張ということで信濃町からはるばる日帰りで1日目だけ参加しました。
前もって分かっていれば、お会いしたかったのに残念!!

会長の野口さんには東谷山の頂上で、昨年お会いしていたのですが(そのときには「山ぼけ猫」さんとは知りませんでしたが、直後のブログで知りました)、まさかあの方が今回の会長とは学会の案内を見るまで知りませんでした。スキーをもって映っている写真は恐らく東谷山の時のもののようです。会場で挨拶をてしまいました。

会場で知っている方がいないかとキョロキョロしましたが、MINMINさんには気づきませんでした。今期は山スキーでお会いできなくて残念でしたが、ニアミスしていたのですね。事務局長の増山先生は私の親しい方です。

投稿: smile-telemarker | 2011/06/14 07:49

★smile-telemarkerさん
先生もいらっしゃっていたんですね!
私も誰か知っている方がいないかと探してみてみたのですが・・・・
私は比較的後ろの方に座っておりました。
もしや先生が来ていないかな?と少し思ったのですが、さすがに携帯電話かけて確認するのもどうかと思ったので。携帯のメールアドレスを伺っておけばよかったなと思いました。

今期はようやくスキーできる余裕ができたころに、大震災が発生してしまい、とても仕事柄遊んでいる訳にはいかず。
ここ3シーズンぐらい山スキーはぱっとしない状況なので、来年こそいろいろと行きたいものです。
先生の書いているちば山の信濃通信はいつも拝見しております。
地域医療と趣味?を兼ねた生活ぶりが楽しそうです。


投稿: MINMIN | 2011/06/15 07:01

興味深いお話ですね。書いてくださってありがとうございます。
(まだ続きがあるのですね。)

私レベルの話として聞いてください。

年齢を重ねながら、自分なりの(それがどんなレベルであれ。)
山を楽しみたいと思ったら、トレーニングは欠かせないですね。

今、『登山の体をつくる』という岳人に連載されていたものをまとめたという本を
読んでいますが、長く楽しみたいなら、四の五の言わずにトレーニングなんだなあ・・と感じます。


もともと筋力があるほうではないから、ちょっとサボるとすぐヘネヘネ筋肉に
なってしまう私のようなタイプは、とくに継続が大切なんだ・・と、ここを読んで
改めて感じました。

投稿: ぴとこ | 2011/06/15 22:38

★ぴとこさん
本当にトレーニングはそのレベルは問わず、きちんとやらないと将来にわたって山を続けられないなと思いました。若い時はなんとかなっても・・・・。

私もすぐにサボる方なので、なんか理由づけとかきちんとしなくてはと思ってます。ぴとこさんは今、海外のどっかに行かれているようですが、報告楽しみにしてます。

まだ、私もこのブログ記事は途中のままでまずいのだけど、なかなかすぐに宿題にする悪い癖が・・・・。coldsweats01

投稿: MINMIN | 2011/06/20 23:26

スクワット、ランジ、いいんですね!
今、スポーツジムの筋トレプログラムに週2で出てるんですけど、
それにスクワットとランジが組み込まれてて、ばっちり鍛えてます^-^v
きっと久しぶりに山行っても平気かな?

ウルトラマラソンの水の管理、参考になりました。
フルもそうですよね。
きちんと水分補給しないと足つりますよね。

投稿: てる | 2011/06/22 20:48

★てるさん
山のトレーニングはもちろん山で行うのがベストですが・・・・
でも、実はゆるい山にいくら行っても、さらなるレベルアップは結構難しい。
むしろジョギングや筋トレやそれなりのちゃんとしたトレーニングをやることによって確実にレベルアップした山にも行けるようになるというように自分なりに解釈しました。

やっぱり、ウルトラ走れるぐらい行動できる人は平凡な体力や体幹、そしてスキルも半端じゃないと思います。

投稿: MINMIN | 2011/06/23 21:34

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