映画「ロング・トレイル」
以前読んだことがある、日本のバックパッカーの第一人者の故加藤則芳氏の「ジョン・ミューアートレイル」の本を読んでから、いつかアメリカの超ロングトレイルって見てみたいな・・・って思っていた。
今回の映画は、アメリカにある超ロングトレイルのアバラチアン・トレイルを老人二人がチャレンジするロードムービー風の映画が「ロング・トレイル」だ。
俳優はあのロバート・レッドフォードとニック・ノルティ。レッドフォードの奥さん役がエマ・トンプソン。自分的にはいずれもなじみのある俳優さん。アメリカの山々の風景をみたいなと思って映画館に行った。
◆映画の公式サイトはこちら ↓
東京では渋谷の映画館1館だけ。初めて行った映画館(ヒューマントラストシネマ渋谷)だが、狭い部屋だけど、満席に近かった。それにしても、この映画館のトイレが見たことないほど狭くて、ありえない構造。自宅のトイレみたいに個室にしか手を洗うところがない。映画の感想でなくて悪いけど、用がなければ二度と行かない。ビルはとってもコジャレていて、かっこいいけど、エレベーターや全体の作りがスムーズでなくて、動線的に嫌なビルだ。
さて、ネタバレになるので興味のある方は続きをどうぞ・・・
最初にロバート・レッドフォードがテレビ番組に出演しているシーンから始まるのだけど、私は最近はレッドフォードを映画で見ていなかったので、本人だとわからないほど顔が皺くちゃで、びっくり 似ている人だなあ・・・みたいで、やっぱりこの人???って感じで、しばらくびっくりし続けていた。もともと、若い頃から美貌な方だけど乾燥肌だな・・・って思っていたので、劣化がひどくて、クリームを塗ってあげたいって、もう少し若い頃はよく思っていた。今回は、ここまで皺だと、人相が変わったぐらいに感じてしまった。
でも、しばらくすると、やっぱりあの名優さん。だんだんと、すっーと映画に引き込まれていった。映画を見る前に予習のあらすじをあまり見て行かなかったせいもあり、ややストーリーを追えなく感じる部分もあるけど、突っ込みどころいっぱいも楽しい。
自分的にはアメリカのロードムービーって好きなジャンルの映画。ニック・ノルティがとってもロング・トレイルに挑戦することがありえないぐらい太っちょさんで笑える。でも、味があるなあ・・・・。レッドフォードも御年80歳。役では60歳半ばか後半ぐらいだから、相当それでも若作りの役だ。
山屋的に突っ込みたくなる部分や、面白く感じた部分をいくつか挙げてみる。
◆やっぱりザックは軽そうだ。
・本当はテント泊のザックなので、アメリカ人の体格がいくらよくても、60Lか70Lだと、相当に重たい。撮影では軽いのはやむなしですね。俳優が演技できなくなってしまうもの。
◆アウトドアショップREI のおちょくり?
・アメリカの有名なアウトドアショップのREIの店員さんが太鼓判を押したテントは3シーズン用。おしゃべりな女性が3シーズン用って鼻で笑っていたけど、やっぱり標高が高い処にも行くのならば、オールシーズンにしておけよってことでしょうかね・・・
・日本ならば感覚がわかるけど、アメリカの気候だとどうなんでしょうか?
・お値段が高いよってセリフがあるけど、そりゃあ、ちゃんとした商品ならばしようがないけど・・・。
・息子さんがREIに連れて行ったんだけど、結局この店員さんはベテランというけど、本当はどうだったんでしょう? 日本のアウトドアショップにも知識が薄っぺらい店員さんなんかもいるけど。
◆東海岸のエリート層
・主人公は作家として成功して、イギリス人の奥様をもらって、オハイオ州出身であることを隠している。これって、アメリカだと、東海岸の白人エリートというのと、オハイオ州だと田舎ってことで、それを隠したがっている意識と。こういうのは面白いなって思う。芝生の庭と、白い家と、こういうのが典型層なのかなって。
・ニック・ノルティとの対比が面白い。結局、昔の悪友っていうけど、大学か高校生ぐらいの時代の悪友か、学生卒業した後でのやんちゃな?時代の仲なのか不明。。。。?
◆アメリカにもいる道具オタク
・山小屋で突然話しかける「グレゴリーのザックがよいか、それとも、こっちのザックがよいのか」という男性。こういうオタクって、日本でもいるので、よく描いていると笑えた。
◆べちゃくちゃ話しかける女性
・やたら話しかけてくるうるさい人って、いますよね。やたら同行したがるとか。もちろん、波長が合えばそれは素敵な旅にもなるけど、はた迷惑の場合は・・・
・自分的にはこの女性の部分は相当に笑えた。
◆本当は見たかった熊対策
・夜にクマが現れるのだけど、本当はアメリカでは木の上に食料を吊るす・・・・と聞いていたので、このあたりの知識を確認したかった。でも、映画では普通に食物を地面においたままだった。
以上が、山的な感想。
映画としては、人生を考えさせられる映画だなって。山の自然はそれなりに綺麗だけど、圧倒的な自然という美しさとかでなく、とにかくトレイルなんだな。日本ではこういう比較的平坦な樹林帯の中を歩くって道がほとんどない。気持ちいいだろうな・・・って本当に思う。
主人公二人のいろんなやり取りは、かなり笑えて、面白かった。文章にするとありきたりだけど、実は旅にでた本当の深い部分がやっぱり一番人生しみじみ・・・。最初はレッドフォードの顔の皺ばかり気になった私だけど、やっぱり最後はストーリーに引き込まれました。
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